病児保育事業などを行うNPO法人フローレンス(千代田区)は9月1日、大井町の病院跡に「おうち保育園おおいまち」(品川区東大井6、TEL 03-3590-1287)をオープンした。
「おうち保育園」は待機児童問題を解消するためのミニ保育園。主に3歳未満の子どもを自宅で預かる家庭的保育事業「保育ママ」の集合体で、昨年4月に最初の「おうち保育園」を東雲に開いた。こうした動きは徐々に広がりつつあり、2010年度で同事業を行う団体は6つに増えたという。「おうち保育園」としては6園目に当たり、品川区では「品川シーサイド園」に続く2園目。
保育ママ制度について、同NPOの國嶋賢さんは「海外では普及している制度でフランスでは約4万人が活躍している。ところが日本では昨年ようやく1000人。休みが取れない、自分の家を提供する個人事業主なので手続きが大変などのハードルの高さがネックとなり、なかなか普及しなかった。『おうち保育園』は、保育ママをグループ型にしようという考え方から始まった」と話す。
同制度では、保育士1人で最大3人を受け持つ。1人につき、9.9平方メートルの広さが必要で、「おうち保育園おおいまち」では現在3人の保育士とアシスタントが1人で、6カ月未満~1歳10カ月までの子ども9人を預かっている。
料金は各自治体の保育ママ事業に順ずる。品川区は1カ月2万円。開園への道のりは、同NPOが自治体に働きかけるほか、施設を見学した自治体から依頼がある場合などさまざま。
メリットは、マンションの空室、空きテナントなどを保育園に転換できるためコストが抑えられる点。そのため、待機児童集中エリアにピンポイントで開園することができる。大井町の保育園は、品川シーサイド園利用者の紹介で廃院を転換した。品川区からも大井町エリアに開園の要請があったという。
「デメリットは資金が潤沢でないため、利用者のニーズ全てに応えられない点」と國嶋さん。「2013年度に導入予定の『子ども・子育て新システム』が実施されれば、もっと開園しやすくなる。今後保育サービスが多様化していく中のひとつとして、待機児童を解消の役割を担っていきたい」と話す。
開園時間は8時~18時。