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品川区内23地区が「密集市街地」指定-住民ら不安視、建て替え賛成の声も

「荏原町駅前地区防災街区整備事業」の対象となる荏原町駅前の商店街

「荏原町駅前地区防災街区整備事業」の対象となる荏原町駅前の商店街

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 国土交通省が10月12日に発表した「地震時等に著しく危険な密集市街地」で、品川区は23地区が指定された。都道府県では東京が最も多く、東京23区内では品川区が最多。当該地域の住民からは、地震や火事発生時の被害拡大を不安視する声も出ている。

中延5丁目の住宅街の様子

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 対象地区は、「大井2丁目」「大井7丁目」「小山2丁目」「小山台1丁目」「戸越2丁目」「戸越4丁目」「中延2丁目」「中延3丁目」「中延4丁目」「中延5丁目」「西大井2丁目」「西大井3丁目」「西大井4丁目」「西品川2丁目」「西品川3丁目」「西中延3丁目」「旗の台4丁目」「東中延2丁目」「二葉3丁目」「二葉4丁目」「豊町4丁目」「豊町5丁目」「豊町6丁目」。主に品川区内の南西部で、戸越銀座や中延商店街、荏原町商店街などが立ち並ぶエリアだ。

 品川区防災課防災担当の品川義輝さんは「1918(大正7)年ごろから耕地整理が行われ、地域内は碁盤目状に整備された。そのため、家を建てることができるのは、道路と道路に区画された升目上に限られる。品川は関東大震災後と戦後に急激な人口増加が進んだこともあって、住居が密集するようになった」と、歴史的背景について語る。

 中延5丁目の地域住民からは、「昔から家が密集しているから危険という話を聞いていたが、普通に生活している分にはさほど意識していない。ただ、火事が起きたら怖いと思うことはある」「駅前の商店街は老朽化がかなり進んでいる。大きな地震に備えて、早く建て替えたほうが安心」などの声も。

 品川区では、老朽化住宅が密集し、道路や公園などの公共施設が不足するエリア(「旗の台・中延地区」、「二葉3、4丁目、西大井6丁目地区」「東中延1、2丁目、中延2、3丁目地区」「豊町4、5、6丁目地区」)で「密集住宅市街地整備促進事業」を実施している。同事業の一環として、荏原町駅前に広がる中延5丁目の商店街の木造建物を建て替える「荏原町駅前地区防災街区整備事業」も行われる予定だ。

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