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清泉女子大学の旧島津公爵邸、完工100年迎える 記念ライトアップも

旧島津公爵邸のライトアップ

旧島津公爵邸のライトアップ

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 五反田・島津山にある清泉女子大学(品川区東五反田3)で5月7日~9日、旧島津公爵邸完工100年を記念したイベントとライトアップが行われた。

ステンドグラスは設立当初からほぼそのまま残る

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 同館は、鹿鳴館やニコライ堂を手掛けた建築家ジョサイア・コンドルが設計したルネサンス様式の洋館。地上2階地下1階建てで、建物面積は約280坪。

 同敷地は1873(明治6)年、鹿児島の島津家が所有した。1906(明治39)年には工部大学校建築学科教授のジョサイア・コンドルに洋館の設計を委託。1915(大正4)年に建物が完工し、洋画家・黒田清輝の指揮で館内の設備が整えられ、1917(大正6)年に落成した。

 邸宅は金融恐慌や第二次世界大戦によって維持が困難になり、日本銀行に売却された過去を持つ。1946(昭和21)年にはGHQの管理下に入り、駐留軍の将校宿舎として1954(昭和29)年まで使用されていた。1961(昭和36)年には、清泉女子大学が日本銀行から土地と建物を購入。買収直後は建物の破損もあったが、耐震補修工事や修復作業を経て現在も本館として利用している。2012年には東京都指定有形文化財に指定された。

 同校は完工・落成から100年が経過した2015年~2017年の2年間、さまざまな100年記念行事に取り組んできた。総務部担当者は「戦争や震災でも倒壊することなく残った貴重な建物が、学びの場として存続できているのは素晴らしいこと。同館で行う授業は出席率がいいと話す教授もいる。当学校のシンボルとして、今後も修復をしながら長く大切にしていきたい」と話す。

 ライトアップは照明家の山本正元さんが手掛けた。落成披露が行われてから100年たった8日には、完工100年の式典を開催した。

 同期間では、建設に関わった建築家山下啓次郎の孫であるジャズピアニスト山下洋輔さんのライブを実施。島津義秀さんの薩摩琵琶演奏や講釈師・神田松鯉さんの講談なども行われた。

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