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荏原のセイムキオスク内に「マン ヴィンテージ」 モデルの萬波ユカさんが海外で買い付け

オーナー兼バイヤーを務めるモデルの萬波ユカさん(撮影=嶌村吉祥丸、写真提供=MAN vintage)

オーナー兼バイヤーを務めるモデルの萬波ユカさん(撮影=嶌村吉祥丸、写真提供=MAN vintage)

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 ヴィンテージショップ「MAN vintage(マン ヴィンテージ)」が「same kiosk(セイムキオスク)」(品川区荏原4)にオープンして1カ月がたった。運営はにじはん(渋谷区)。

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 「same kiosuku」は、2020年にオープンした「same gallery(セイムギャラリー)」の展示がない期間を利用するスペース。同店のほかには、輸入雑貨店「DONADONA Tokyo(ドナドナトーキョー)」と骨とう品店「TONO SHOP(トーノショップ)」が並ぶ。試着室は1部屋。

 同店の店主でバイヤーを務めるのは、モデルの萬波ユカさん。10代の頃からヴィンテージショップを開くのが夢だったという。「モデルを始めてから、1年の半分以上は海外で暮らす『根なし草』の生活。そのうちに自分の居場所を作りたいという思いが強くなった。新型コロナウイルス感染症の影響で、拠点としていたニューヨークから帰国しまとまった時間ができたので、居場所を作るなら今だと行動に移した」と話す。

 萬波さんは「初めは別の場所に出店しようと決め、内装工事まで済ませていたが、コロナ禍で計画が立ち消えになった。途方に暮れて、『いつか一緒に古着屋をしよう』と話していた同ギャラリーのオーナーの1人である嶌村吉祥丸さんに相談したところ、実現したのがこのショップ。準備期間は1カ月もなかった」と振り返る。

 店のコンセプトは、「思い入れのあるアイテムを思い出とともにお譲りします」。店名の「MAN」には、商品を大切に引き継いでくれる人に譲り渡す「つなぎ役」を担う思いを込めたほか、印象に残るようにと自分の名字にかけたという。

 商品は、主にアメリカやヨーロッパ、カナダで買い付けた19世紀のエドワーディアン、ヴィクトリアンなどのアンティーク、1990~2000年代のブランドアーカイブ(過去の作品)、アニメのTシャツなどで、ドレスやブラウス、スカーフ、アクセサリーのほか、ラグや香木など約100点が並ぶ。

 価格は、洋服が約5,000円から3万円、アクセサリーが約3,000円から2万円。萬波さんのお薦めは、「70年代のコットンレースロングドレス」(1万9,800円)、「手刺繍チャイナシルクローブ」(3万5,800円)、イヤリング(5,800円)。会計はクレジットカードなどキャッシュレス決済のみとし、手提げ袋の持参を促す。

 オープン初日は予想を上回る来客で整理券を配布した。「『思い出とともにお譲りします』というコンセプトなのに、店内が混み合うことでどのアイテムが誰の手にわたったのか分からなくなるのは悲しい。現在は事前予約枠を設けて、ゆっくりと商品を見られるようにしている」と萬波さん。今後について、「要望の多いウェブ販売に向けて準備を進めている。海外で買い付けて、そのまま販売するシステムや商品のアーカイブ、買い付け時のエピソードを語る場も作りたい。いずれはウェブ販売をメインにしたポップアップストアになっていくかも。時代に合わせて柔軟に対応していければ」と話す。

 「ヴィンテージは、時を経て大切にされ生き残ったもの。はやり廃りのない自分にとっての唯一無二を大切にするスタンスは居心地がいい」と萬波さん。「same kioskはヴィンテージや骨とう品、世界の雑貨、ギャラリーオーナーのセンスが光る書庫などがあり、雑多で居心地のいい空間。どうぞ立ち寄って」と呼び掛ける。

 営業時間は木曜・金曜・土曜・日曜の12時~19時。現在はsame kioskが休業中で、次回は10月7日の再開店を予定する。新型コロナウイルス感染症対策として、入店は事前予約を受け付け、30分ごとに3組、6人まで受け入れる。来場者が多い場合は、予約のない一般客に整理券を配布する。アルコール消毒の設置や換気、酸素濃度測定器による室内酸素濃度測定を行う。

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