中延の「蛇窪神社」(品川区二葉4)が今秋、七五三参りの子どもたちに同神社の由緒をテーマにした絵本「蛇窪神社のお話 白蛇伝説」の無料配布を始めた。
絵本の文は品川区出身で詩人・絵本作家の浦野真樹さんが、絵とデザインはイラストレーターの鯰江(なまずえ)光二さんが担当した。編集は、真樹さんの夫でクリエイティブアーツ出版の浦野進さんと、同社のsumomoさん。絵本は非売品で、販売は予定していない。
蛇窪神社宮司の齋藤泰之さんが、真樹さんに絵本づくりの話を持ちかけたという。真樹さんは「最初は戸惑ったが、神社の由緒を書かせていただくのを光栄に思い引き受けた」と話す。「神社の由緒は子どものころから聞いていたが、改めて宮司さんから話を聞いたり図書館を利用したりしながら、自分なりに納得がいくまで調べた」とも。
内容は、蛇窪(現在の品川区二葉4丁目付近)に白ヘビが現れ、神社の境内に「白蛇辨財天社」ができるまでを描く。真樹さんは「子どもたちに分かりやすい言葉づかいを意識し、擬音なども使い、なじみやすい作品になるようにした」と振り返る。
イラストを描いた鯰江さんは「ストーリー前半は少し重たい展開だったので、ヘビをかわいらしくして親しみやすさを出した」と説明する。デジタル制作だが、「ちぎった和紙をスキャナーで取り込んで素材の質感をヘビの描写に生かすなど、温かみを感じられるような工夫をしている」とも。
宮司の齋藤さんは、完成した絵本について「白蛇さまや蛇窪龍神さまがかわいらしく、お子さまたちを温かく見守ってくれると思う。ご家族で読んでもらえれば、白蛇さまの由来について親しみをもっていただけるのでは」と期待を寄せる。
同絵本は、裏表紙に名前を、その内側にコメントが書き込めるようになっている。真樹さんは「一生の記念に持ち続けてもらえたら」とほほ笑む。