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品川区民ギャラリーで展覧会「髄と皺」 地元出身の写真家・中山寛さんが出展

「髄と皺」ポスター

「髄と皺」ポスター

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 写真家の中山寛(ゆたか)さんの展覧会「髄と皺(しわ)」が12月10日、「イトーヨーカドー 大井町店」(品川区大井1)8階の「品川区民ギャラリー」で始まる。主催は品川文化振興事業団(東大井5)。

品川区民ギャラリー入り口

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 中山さんは品川区出身・在住で、うなぎ店を営む祖父母の元で育った。写真を撮り始めた経緯について、中山さんは「祖父の遺品からフィルムカメラを見つけ、これを使って何か撮ってみたいと思ったことがきっかけ」と話す。

 空間デザインの会社で勤務していたこともある中山さんは、「表現というものを身近に感じていた」という。2017(平成29)年から作品を制作し始め、最初は祖母を撮影。「気骨な人という印象を持っていた祖母に対して、それまでと違う表情を感じ取れた」と振り返る。

 2019年に個展を初開催。今年、事業団が活動支援をする「品川ゆかりアーティスト」に登録され、同展は「品川ゆかりアーティスト支援企画」として開かれる。

 展示する作品総数は約60点。祖母や親戚の書道家を撮影した写真のほか、しわを付けたカラーフィルムを重ね合わせてスキャナーで露光して撮影した「SHerills(シリルス)」、「白雨白週(しらさめはくしゅう)」を展示する。

 これらの作品群について、中山さんは「しわに当てた光が乱反射し、新たな表情が生まれる偶然性を生かそうと思い付いた技法」と説明する。制作を通して「しわは時間や記憶の積み重ねだと感じた」とも。

 自身の制作活動については、「祖父母とは養子縁組の関係だったことから、生まれと育ちという2つの起点がある。その間に感じるものをアーティストとして表現したい。作品全体を通して、帰属感や『ここにいていいんだよ』という感覚に触れてもらえたら」と話す。

 展示会の会期中は中山さんも在廊予定で、「展示を見た人の感想も聞いてみたい。出身地での開催なので、地元の知人にも見てもらえたら」と来場を呼びかける。

 開館時間は11時~19時(最終日は17時まで)。入場無料。12月15日まで。

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