キヤノンSタワー(港区港南2)2階オープンギャラリーで6月18日より、「藤原かんいち写真展『旅道のキセキ』~バイクで世界一周5万キロの旅~」が始まる。
藤原さんは1961(昭和36)年生まれの旅行家。バイクでの旅にこだわり、これまで原付バイクで北極圏、サハラ砂漠、アフリカジャングルなど13年をかけて世界6大陸を制覇した。
99年、世界5大陸の旅を終えたころ、藤原さんは沖縄の書店で見かけた巨木の写真集に感銘を受け、世界の巨木をめぐる旅を企画。「ちょうどその頃、電動バイクが発売されたのを知り、巨木を訪ねるには排気ガスを出さない電気バイクがふさわしいと考えた」と藤原さん。2004年から2008年にかけて、今度は電動バイクで2度目の世界一周を成し遂げ、同展ではその際に藤原さんが記録した作品64点を展示する。
今回の旅には、藤原さんの妻・ヒロコさんがアシスタントとして同行。夫婦で延べ983日、世界45カ国、5万キロをバイクで走った。藤原さんは電気バイクのため、1本で約20キロメートル走行可能なバッテリーを6本持参。ヒロコさんが250ccのバイクに乗り、約80キロの荷物を積んで藤原さんを支えたという。
電気のインフラが整っていない地域では「常に充電のことで頭がいっぱい。電柱が気になって仕方なかった」と振り返る。「アフリカでは発電機で充電したことも。僕が走っている間に妻がホテルに戻って充電するなど、夫婦で連携して乗り切ることができた。電動バイクが地元の人たちとのコミュニケーションをとるきっかけとなり、旅を通して世界の電気事情を知ることができた」とも。
藤原さんは「バイクで旅をするということは、一番道を見るということ。道は、家から一歩出たら最初に出会う社会で、人々が行き交い、文化が伝わり、まさに生命力を感じられる場所でもあると思った。今回の展示では、さまざまな道の風景から旅を伝えることで、旅に出るきっかけとなれば」と話す。
6月19日には、キヤノンホールSで撮影時の秘話を話す講演会を開く。13時30分~15時。申し込みは17日までホームページで受け付ける。先着300人。入場無料。問い合わせはキヤノンギャラリーS(TEL 03‐6719‐9021)まで。
開館時間は10時~17時30分。日曜・祝日休館。7月22日まで。