オフィスビル運営事業などを行うジェイアール東日本ビルディング(中央区)は5月31日、省エネオフィスビル「JR目黒グリーンビル」(品川区上大崎2)を開業した。
地下1階、地上7階建ての既存ビルを同社が買い取り改装。同ビルのテナントが大きく入れ替わったこともあり、テナントと連携して省エネを推進していく。具体的には「環境マニフェスト」を作成し、入居時に覚書を結ぶ。内容は、電力の使用量を把握するためのデータ収集および分析を行う「電力見える化パネルの運用」、ビル指定温度に設定し、「ECO全自動モード」で空調運転を行う「クールビズ・ウォームビズ」、スリープ時間を設定する「パソコンの電源設定」など計10項目。
実施する項目はテナントが選び、月に一度、実施状況を確認する。各項目に配点を設定しており、ビル頭部に設置された太陽光発電による電力の提供や「電光サイン3コマ提供」などのインセンティブが付く。覚書を守れなかった場合でも、ペナルティーは発生しない。
このほか、効率化を高める空調機の導入や太陽光発電の導入、ツタによる壁面緑化で緑のカーテンを採用するなどハード面の取り組みも。同ビルでは、ハード面とテナントと取り組むソフト面で計40%のCO2素削減を目指すという。
同社技術部の並河修平さんは「テナントとの取り組みは、コミュニケーションの手段。月に一度、省エネについて話をすることで、環境に対する意識を底上げできれば」と話す。