味の素(本社=中央区)は7月7日、品川プリンスホテル(港区高輪4)で「2011年製品試食説明会」を行った。
これに伴い、2011年~2013年度の中期計画や東日本大震災への取り組みなどを発表。
「味の素」ブランドは、2011年のブランド価値評価ランキング「日本のグローバル・ブランドTOP30」で29位に初めてランクイン。同ランキングは、ブランドコンサルティング会社のインターブランドジャパンが実施したもので、1位はTOYOTA、2位はHONDA。食品業界としては唯一のトップ30入りを果たした。
同社は、「2010年のファン数を8億人から、2013年には10億人に増やす」とし、世界各国でファン作りを目指す。「ファン数」とは、日本ファン(年間5個以上のAJINOMOTOブランド購入者)+海外ファン数(主要製品のカテゴリー購入世帯×シェア×人口)。2011年はバングラディシュに法人を設立、エジプトとトルコに販売法人を設立するなど、成長領域へ重点的に投資していくという。
東日本大震災では、川崎工場内の倉庫などに被害が発生。復旧に約2カ月を要した。これにより、「平常時最大効率追求」から「非常時での安定供給確保」を重視。供給者から消費者までを結ぶ一連の業務のつながり「サプライチェーン」の強化を図るという。
このほか、3月12日から被災地へ物資の支援活動を開始。東北3県の仮設住宅へ味の素グループ詰め合わせセット6万個を提供したほか、吉本興業のお笑いタレントと炊き出しの応援などを行った。
同社が震災後1カ月余り経過した時期に行った調査によると、「保存性&簡便性の高い食品を中心に購入者アイテム多数(今後継続的利用意向も)」「野菜や魚など生鮮品の産地は欠かさずチェック(主婦の3~4割。加工食品についても1割程度がチェック)」などの食品購入行動の変化が見られた。
調理行動の変化として出た調査結果は、「高まる節電意識」「食事の支度は『簡単にする方向へ』」「小さい子どもがいる家庭では調理時の配慮や手作りへのシフトも」。
同社食品事業本部長の横山敬一さんは「内食、中食、外食で胃袋の争奪戦となるだろう。新商品やレシピサイトの展開、適切な情報開示など消費者意識の変化に対応していく」と話す。