三菱鉛筆(品川区東大井5)が4月2日、毎年恒例の「鉛筆けずり入社式」を行った。新入社員に今後深く関わる筆記具への愛着を持ってもらうことを目的に2008年から始まった同式は、今年で5回目の開催となる。
「小刀で鉛筆を削ったことのない人は?」の問いに、新入社員13人の半数以上が挙手。先輩社員に指導してもらい、ぎこちないながらも鉛筆を削った。「今年は上手な人が多いですよ」との言葉に、新入社員からは安堵(あんど)のため息が漏れた。
初の取り組みとして、今年はペン字講師の阿久津直記さんを招き「美文字を書くコツ」も伝授。「文具メーカー勤務として筆記具にこだわるのはもちろん、生み出される文字の美しさにもこだわってほしい」と同社広報の飯野尋子さん。
15分という短い時間の中でいくつかのポイントに絞ってコツを習い、社名の「三菱鉛筆」を練習。新入社員からは、「教えてもらったことに気をつけただけで文字が全然違う」と驚きの声が上がった。その後、削った鉛筆で「5年後の自分」に宛ててメッセージをつづり、入社式は終了した。
飯野さんは「鉛筆は自分で削らないと使えない。同じように、入社してからも努力を怠らず、自分を磨いていってほしい」と期待を寄せた。