立正大学(品川区大崎4、TEL 03-3492-2681)の有志は3月9日、被災地での唱題行脚(しょうだいあんぎゃ)に向けてキャンパスからバスで出発した。3日間で気仙沼市、陸前高田市、南三陸町、南相馬市を回る。
同大学は東日本大震災発生当初から、学内でのシンポジウムやボランティア活動などを通じて被災地支援に取り組んできた。仏教学部は2012年以降毎年被災地に赴き、震災で亡くなった方々の慰霊、被災地の復興と平和を祈念するために唱題行脚を実施している。
唱題行脚とは、日蓮宗・法華宗で用いられる慰霊と祈念のための活動。「うちわ太鼓」をたたき、お題目「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」をとなえて街頭を歩く。
今年は仏教学部に限らず全学部の学生・大学院を対象に有志を募り、学生38人が参加する予定だ。
仏教学部助教授の武田悟一さんは「一度参加した学生は翌年も参加することが多い。この活動は学内でもじわじわと浸透してきた。学生の中には僧侶を目指す者もいるため、将来につながる貴重な体験。実際に現地に行くことで、学生がそれぞれ何かを感じてもらえれば」と話す。
「行脚は直接目に見えるボランティアではないが、亡くなった方の慰霊と同時に、被災者の心の支えになりたい」と話す。