ソニー（港区港南1）は5月14日、2007年度の連結決算を発表し、売上高と当期純利益は過去最高を記録、営業利益は史上2番目の高水準となった。

　同社が発表した決算短信によると、売上高は8兆2,957億円（前年比6.9%増）、営業利益は3,745億円（同421.9%増）、当期純利益は3,694億円（同192.4％増）。

　主力のエレクトロニクス分野は、売上高6兆6,138億円（前年比8.9％）、営業利益3,560億円（同121.8％）と、いずれも過去最高を記録。液晶テレビ「BRAVIA」、パソコン「VAIO」、デジタルカメラ「サイバーショット」などが増収となった。一方、減収となった液晶リアプロジェクションテレビ事業からは撤退する。

　プレイステーション3（以下PS3）などの不振で、前年度大幅な営業損失を出したゲーム部門は、売上高1兆2,842億円（前年比26.3%増）、営業損失は前年度2,323億円から1,245億円へと縮小した。

　PS3の売上台数は924万台（前年比：563万台増）、ソフトウエア売上本数は5,790万本（前年比4,460万本増）。同商品のハードコスト改善とソフトウエアの売上増にともない、2007年度下半期のゲーム分野は黒字化を達成している。

　映画部門は、売上高が8,579億円（前年比11.2％減）、営業利益は540億円（同26.5％増）となった。公開映画作品本数の減少によって売上高は減少したが、「スパイダーマン3」などの映画作品が劇場興行やDVDソフト収入に貢献。テレビ向け市場の好調も、営業利益の増加を後押しした。

　金融ビジネス収入は、ソニー生命の減収によって前年比10.5％減の5,811億円。営業利益は前年比73.1％減の226億円で大幅な減益となった。その他の部門は、売上高3,822億円（前年比7.6％）、営業利益は502億円（前年比73.9％）。

　同社IR部の園田達幸部長は、決算発表会で「PS3はプラットホーム充実のためにコストをかけた。今期はインターネット事業に力を入れる。PS3とWiiのターゲットは異なっているので、PS3に内蔵されているセルの演算機能を駆使してインターネットを使った事業を強化する」とコメント。

　連結業績の当期純利益は3694億円。前年度1263億円から192.4％増となった。2008年度の連結業績予想は、売上高は9兆円とほぼ横ばい、営業利益は4,500億円と約20％増を見込んでいる。

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