JR品川駅で11月16日、線路切り替え工事が始まった。工事の総時間は27時間、期間は17日の初電まで。建設会社は、大林組、鉄建建設、東鉄工業、日本電設工業。
16日未明の工事現場では、「せーの」という大きな掛け声と共に、1メートルあたり50~60キロのレールを動かす姿が見られた
品川駅は、1872(明治5)年に開業。2018(平成30)年度の1日平均乗車人員数は38万3442人で全国5位。2027年以降に開業を予定しているJR東海リニア中央新幹線では発着駅になる。
JR東日本は2014(平成26)年、田町・品川駅間に山手線30番目の新駅誕生を正式発表。新駅名は2018(平成30)年、高輪ゲートウェイに決定した。現在は品川駅の改良工事、および2020年春の高輪ゲートウェイ暫定開業に向けた工事を進めている。
山手線と京浜東北線は品川~田町間で立体交差しているため、今回の工事では通常1線ずつ行う線路切り替え工事を3線同時に行う。事前に品川~高輪ゲートウェイ駅間に新たに線路を敷き、既存の線路のうち3カ所を切り替える。これにより、山手線(内・外回り)と京浜東北線(大宮方面)の線路を東側の東海道線上り線沿いに約100メートル移設する。既存の線路は後日撤去する予定。作業員1500人を含む総勢2000人、重機90台で作業にあたる。
16日深夜に始まった工事現場では、既存の線路を撤去し、事前に組み上げて脇に設置していた新規線路を平行移動する作業から始まった。「せーの」という大きな掛け声と共に、1メートルあたり50~60キロのレールを移動。8時までに既存線路の端と新規線路の端をつなげ、架線や信号の工事を行い、16時の山手線運転再開を目指す。4時の時点で、工事は予定通りの進捗だという。
11月17日の運行からは、3番線の京浜東北線(大宮方面)を使用停止し、4番線の大宮方面の使用を開始する。使用停止した3番線の敷地にホームを拡張し、2022年ごろから山手線外回り(渋谷・新宿方面)と京浜東北線(大宮方面)が同一ホームで乗り換えられるようになる。
JR東日本建設工事部大規模開発PT課長の関啓光さんは、「一連の工事の中でも最大の山場といえる工事。当日の作業がスムーズに進むよう、事前の準備を進めてきた」と話す。「3線同時に切り替えるのは、進行管理としては難しい。作業が遅れないよう頑張りたい。混乱を避けるため、ラグビーワールドカップと時期をずらしたが、全てのイベントを避けるのは難しかった。申し訳ないが、ご理解いただければ」とも。
工事に伴い、山手線・京浜東北線が16日始発から一部運休している。山手線が工事の影響で運休するのは、1987(昭和62)年のJR東日本発足以来初。