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三田・慶大ケムコで歌麿と写楽の浮世絵展 蔦屋重三郎の関連資料も

前期で展示する喜多川歌麿画「高島おひさ」江戸時代後期、大判錦絵(慶応義塾蔵、写真提供=慶応義塾ミュージアム・コモンズ)

前期で展示する喜多川歌麿画「高島おひさ」江戸時代後期、大判錦絵(慶応義塾蔵、写真提供=慶応義塾ミュージアム・コモンズ)

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 浮世絵展「夢みる!歌麿、謎めく?写楽―江戸のセンセーション」が6月3日、「慶応義塾ミュージアム・コモンズ(通称=KeMCo、ケムコ)」(港区三田2、TEL 03-5427-2021)で始まった。主催は同施設と慶応義塾大学三田メディアセンター。

前期で展示する東洲斎写楽画「三代目市川高麗蔵の志賀大七」寛政6年(1794)、大判錦絵(個人蔵、写真提供=慶応義塾ミュージアム・コモンズ)

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 ケムコは2021年、慶応義塾大学が所有する文化財を収蔵、管理、展示する施設として開設。文化財を起点に、大学と関わるあらゆるコミュニティーの交流を目指す。

 今回の展示は、経済学者で慶応義塾の塾長代理を務めた高橋誠一郎が収集した「高橋誠一郎 浮世絵コレクション」の公開普及事業で、2023年開催の「さすが!北斎、やるな!!国芳-浮世絵のマテリアリティ」に続く2回目。江戸時代後期を代表する浮世絵師の喜多川歌麿と東洲斎写楽の作品を中心に、版元となった蔦屋重三郎の関連資料などを展示する。監修は同大学文学部教授の内藤正人さん。

 開催の経緯について、同施設学芸員の小松百華さんは「公開普及事業1回目の浮世絵展が好評で、2カ月で約5000人の来場があった。今年の大河ドラマの主人公が蔦屋重三郎ということもあり、浮世絵は世間から注目されている。皆さんに親しんでほしい」と話す。「高橋コレクションはケムコが開設するまで展示される機会が少なく、発色が鮮やかで保管状態の良い作品が多い」とも。

 浮世絵展は、美人画と役者絵で部屋を分けて展示する。作品数は計112点で、前期と後期で一部展示を入れ替え、それぞれ約60点ずつが並ぶ。「東洲斎写楽は1年足らずしか活動しなかった浮世絵師で、現存する作品が少ない。今回は高橋コレクションから4点、個人蔵から借用した2点を展示する」と小松さん。蔦屋重三郎が編集した遊郭の案内書「吉原細見」や、歌麿の「狂歌絵本」も展示予定。

 6月25日、7月1日、18日、8月4日には、同施設学芸員によるギャラリートークを開催。8月1日には、「浮世絵に触れる・語る・学ぶ:オブジェクト・ベースト・ラーニング(OBL)ワークショップ」を開き、浮世絵の実物に触れる機会を設ける。それぞれ、ウェブサイトからの予約が必要。このほか、作品ポスター付きの同展覧会カタログ(1,000円)を同施設4階オフィスで販売する。

 慶応義塾大学三田キャンパス図書館旧館内「カフェ八角塔」(同)では期間中、同展覧会のコラボメニューを用意する。前期は「異世界転生café okita アサイーボウル パルフェ仕立て」、後期は「冷やし硝子(ガラス)菓子パルフェ 竹村定之進a.k.a市川鰕蔵」(以上900円)を提供する。

 「浮世絵展は人気が高く混雑しがちだが、当施設は比較的落ち着いて作品が見られる環境」と小松さん。「展覧会のカタログは読みやすいよう雑誌風に仕上げている。手に取ってもらえたら」と話す。

 開催時間は11時~18時。土曜、日曜、祝日休館。6月21日、7月12日、8月2日は特別開館。6月23日、7月3日、4日は臨時休館。入場無料。開催期間は前期=7月2日まで、後期=7月7日~8月6日。

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