
「電子基板作家だいのすけ 基板アート展」が10月4日から、スクエア荏原(品川区荏原4)で開催される。主催は日本電気工学技術製作所。
だいのすけさんは2020年、電子基板作家として活動を始めた。基板は電子機器に搭載される板状の部品。だいのすけさんは、基板上に描かれる配線模様や電子部品の配置の「美しさ」を表現する。今回は、約5年間に制作した基板アート作品7点を展示する。
基板に興味を持ったきっかけについて、「小学生の時、日本における最初期のコンピューター『TK-80』を本で見て、むき出しの基板の美しさのとりこになった。電子機器の分解を始め、独学で電子回路の知識を身に付けた」と、だいのすけさん。「活動開始当初は作品の制作に専念し、5年目をめどに個展を開催しようと思っていた。スクエア荏原は母校の平塚小学校跡地で、縁がある場所だった」と話す。
展示作品は、初めて制作した基板アート作品「電子オルゴール」や、完成まで2年半の歳月を費やした「アートコンピュータシリーズ」など。作品には、「TK-80」と同年代である1970年ごろの古い部品を好んで使うという。「作品作りでは、電子部品を基板上に配置するデザイン性と、実際に電子回路として機能する実用性、その両方を兼ね備えることにこだわっている」(だいのすけさん)
このほか、だいのすけさんが所有する電子部品コレクションのうち、モンサント社の可視光LED「MV-1」と「MV-2」を点灯状態で展示する。
「基板アートは配線のイラスト作品を指すこともあるが、今回の展示作品はリアルな電子部品が主役。基板そのもののを美しく見せることにこだわったので、目を留めてもらえたら。」と話す。
開催時間は11時~20時。入場無料。10月13日まで。