東急大井町線下神明駅近くの「神明児童遊園」(品川区二葉1)で3月25日、「タコの滑り台」の移転を記念した式典が行われた。
同公園は1964(昭和39)年に開設。赤いタコの滑り台がシンボルの「タコ公園」として近隣住民に親しまれてきたが、2007年に補助第26号線道路整備に伴い閉鎖された。代替地として旧公園の向かいに公園が新設され、タコ滑り台も移設することに。
タコ滑り台は1968(昭和43)年頃に作られ、親ダコ(高さ=4.5メートル、幅=10メートル)と子ダコ(高さ=2メートル、幅=3メートル)がうんていで連なっていた。3月5日に新公園が開設。現在は老朽化のために新設した親ダコの隣に、旧公園から移設した子ダコが鎮座している。
当日は雨の中、二葉保育園の児童が駆け付け、歌などを歌い盛り上げた。式典を主催した品川区二葉1丁目町会の清水義男会長は「天気の良い日にはいつも子どもたちでいっぱい。地域の人々に親しまれている『タコ公園』が帰ってきてくれてうれしい。今後も見守っていきたい」と話す。
新公園を設置したのは東京都。「公園が閉鎖されたのに遊具を再現することはあまりないのでは」と話すのは、旧公園のタコ滑り台で設計を担当した菅野善典さん。「当時は予算120万円ほど使って怒られたもの。今でもこうして子どもたちに愛されているならそれでも安いもの。設計冥利(みょうり)に尽きる」と顔をほころばす。