大井町・池上通り沿いの「ローソン大井店」(品川区大井4、TEL 03-3775-7870)では現在、関東で唯一となる店内調理システム「ローソン神戸ほっとデリ」を導入している。
同システムは、ローソンと神戸物産(兵庫県加古郡)がそれぞれ50%出資する合弁会社、神戸ほっとデリ(品川区)が展開。全国523店舗ある業務スーパーのフランチャイズ本部で、国内外に自社工場を持つ神戸物産の食品製造ノウハウと、ローソンの店舗運営ノウハウを結合したもの。設備費は約1千万円。
主なサービスは、目の前で調理する「ライブキッチン」、セルフ式盛り放題の「彩りビュッフェ」、昼食などのピーク時に用意する本格店内調理弁当「できたて弁当」の3つ。
メニューは、「ライブキッチン」=オムライス、豚焼肉弁当、海鮮焼きそば、生パスタ(以上390円)やピザ(800円)など約10種、「彩りビュッフェ」=カレーやビーフシチュー、フライトッピングが盛り放題(390円)、かぼちゃ煮、揚げ鶏の黒酢あんかけなどの総菜メニュー(1パック195円)が盛り放題、「できたて弁当」=「チーズインハンバーグ弁当」(390円)、「鶏と根菜の辛味和え弁当」(350円)など約10種を日替わりで用意する。
同店は2月より、関東地区で初めて試験的に導入。利用客の反応について、高橋勝司店長は、「主な客層は20~40代の男性だが、総菜の盛り放題コーナーでは高齢者や20~30代の若い主婦など、これまで利用が少なかった層が多く見られる。弁当類の売り上げは1.5倍になった。『ついで買い』を期待している」と話す。
ランチ時になると店内は近隣のビジネスマンでにぎわいをみせる。同サービスの噂を聞きつけ、大井町駅の反対側から足を運んだというサラリーマンは「盛り放題だとつい欲張って食べ過ぎてしまう。メニューが変わるなら今後も利用したい」と笑う。
ローソンが店内調理システムの開発にかけた年月は6年。商品・物流本部ほっとデリ厨房プロジェクト部の山本学志さんは「当社は小売業なので、ゼロからのスタートは手間もかかった。クオリティーを均一に保ち、統一感のある商品を作ることに苦労した」と振り返る。「コンビニと言えば、レジで待っているだけのサービスだったが、今後は対個人の接客サービスを提供していきたい」と意気込む。
「ローソン神戸ほっとデリ」は今年度、関東・関西地区を中心に200店舗を展開、2015年度までに全国1,000店舗へでの展開を目指す。