
品川区と荏原消防署が10月2日、品川区内のスーパーマーケットで心肺停止となった男性の救命活動を行った3人に、品川区長感謝状と消防総監感謝状を贈呈した。
9月6日、品川区荏原のスーパーマーケットで買い物中の70代男性が突然床に倒れ、心肺停止の状態だったという。その場に居合わせた俳優業・上級救命講習受講者の篠原暢彦さん、看護師の伊東徹治さん、会社員の小野真照さんの3人が協力し、心臓マッサージを行ったほか、近隣のコンビニエンスストアに設置されていたAEDを使い迅速な処置を行った。
当時の様子について、篠原さんは「私自身もそのスーパーで買い物中だった。近くで人が倒れているという声を聞いて向かったところ、伊東さんがすでに心臓マッサージを行っていた。小野さんがAEDを取りに行き、自分は心臓マッサージの交代要員として救命に当たった」と振り返る。
利用したAED(自動体外式除細動器)は、品川区が2024年5月にローソン(品川区大崎1)やセブン‐イレブン・ジャパン(千代田区)と協定を結んで設置した物。品川区内では現在、24時間営業のコンビニエンスストア89店舗(9月26日時点)に配備されている。AEDは、心停止状態になった人の心臓に電流を流して鼓動を正常なリズムに戻すための医療機器。操作手順が音声ガイダンスで流れ、緊急の場合一般市民も使うことができる。
贈呈式は品川区役所本庁舎で行われ、森澤恭子品川区長、久慈勉荏原消防署長が出席。篠原さん、伊東さん、小野さん、さらにそれぞれの家族が見守る中で、区長と消防署長が3人に品川区長感謝状と消防総監感謝状を手渡した。
篠原さんは「15年ほど前に上級救命講習を受講し、その後も再講習を続けた。若いころはライフガードとして活動したこともある。今回はこれまでの経験を生かし、救命行為に力を貸すことができてよかった。体がスッと動いてその場で連携できたので、普段からの救命の知識と意識の大切さを改めて感じた」と話す。