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西大井にカフェ「ごっちゃまぜ」 認知症の当事者と家族らで運営

「gocchamaze」店頭に立つ柿下房代さん(右から2人目)らスタッフ

「gocchamaze」店頭に立つ柿下房代さん(右から2人目)らスタッフ

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 カフェ「gocchamaze(ごっちゃまぜ)」(品川区西大井2)が西大井の滝王子通り沿いにオープンして2カ月がたった。

「gocchamaze」外観

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 居宅介護支援事業所を改装して利用する。店舗面積は16坪。席数はカウンター席8席、テーブル席20席、ソファ席4席。

 品川区在住の認知症の当事者やその家族、仲間による自助ボランティアで運営する同店。本人・家族同士が気軽に立ち寄り、互いの悩みなどを相談し合う「ピアサポート」の場としてオープンする。地域住民もカフェとして利用できる。

 運営に関わる社会福祉法人新生樹会の鈴木裕太さんは「長年、認知症の当事者や家族から『診断後は閉じこもりがちになってしまい、家族以外と交流する機会が少ない』 『就労が難しい』などの声を聞いてきた。コロナ禍で状況がより悪化し、なんとかしたいと考えていた」と話す。2019年ごろから当事者や家族たちと集まり、どんな活動をしたいか話し合って、外出やイベント出店、弁当販売などを実施。継続した居場所や就労の場を確保するため助成事業に申請し、採択されてカフェ出店にこぎ着けた。

 店頭に立つのは認知症の当事者とその家族5組をはじめ、新生樹会のスタッフや行政職員、ボランティアスタッフ、発達障害のある当事者とその家族など。店に立つ柿下房代さんは「認知症の当人や家族が集まれる居場所がほしいと何年も言い続けて実現した。来店してくれる方のニーズを聞きつつ、自分たちはなにがしたいのか考えながら運営している」と話す。

 ドリンクは、ホットコーヒーや「ホットアップル」「ホットジンジャー」、ドライフルーツと和紅茶 のセット(以上350円)などを用意する。コーヒーは銀座に本店を構える「カフェーパウリスタ 」(中央区)に試飲しに行き、粉で仕入れている。

 店頭では、季節の野菜 や「パン工房 プチレーブ 」(八潮5)のパン、焼き菓子、山梨県の就労支援事業所「かしのみ」で作ったドライフルーツ、和紅茶 などを販売する。「野菜は千葉県で採れた物を即日発送してもらっているため、新鮮な物が味わえる」と鈴木さん。

 今後の展望について、柿下さんは「10月から新たにソフトクリームの提供も始めた。近隣の方からは食事も出してほしいという要望を聞いているので、利用人数やスタッフの人員が確保できれば挑戦したい」と話す。

 営業日時は本人・家族の予定で変動するため、同店ホームページで発信する。

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