11月15日の「解禁日」に向け、五反田のパンとワインの店「Pain aux fous(パン オ フゥ)」(品川区東五反田3、TEL 03-5420-5404)は27種類のボジョレ・ヌーボーを準備している。
ボジョレ・ヌーボーは、フランス・ブルゴーニュ地方で作られる赤ワインの新酒。今年は天候不良による不作で原料となるブドウの収穫量が例年の半分程度となり、品不足による値上がりが懸念されている。
同店のソムリエ、櫻井一都さんは「輸入大手各社の話では、輸入量が例年の1~2割ほど減っているそう。ただ、価格は円高の恩恵や企業努力によって昨年と大きく変わらない」とボジョレ事情を話す。「今年の収穫量は史上最悪ともいわれるが、多くのブドウが結実不良を起こし、実が小さい。その分、うま味が凝縮され、味は期待できそう」とも。
同店では1種類当たりの本数は少ないながらも、27種類のボジョレ・ヌーボーをそろえる。櫻井さんのおすすめは「マルセル・ラピエール」「ジャンポール・ゴーティエ」「フィリップ・パカル」によって生産されたもの。特にフィリップ・パカルは、世界展開用と日本限定用の2種類を用意した。
同15日~17日は、各ボジョレ・ヌーボーをグラス一律価格で提供(630円、カラフェは2,410円~、ボトルは3,675円~)するほか、特製パン「パン・オ・ボージョレ」やボジョレに合わせたスペシャルメニューとして「エスカルゴのブルゴーニュ風」「フォアグラのポワレ マロンとコーヒーのソース」「羊肩肉のブロシェット ゴルゴンゾーラと赤ワインマスタード」(いずれも価格未定)などを提供する。
「種類を増やして価格を統一することで、さまざまな生産者の味を楽しんでもらえるよう工夫した」と櫻井さん。「不作の年に出来上がるボジョレは、まさに生産者の努力のたまもの。来店したお客さまと『2~3年後に熟成したらもっとおいしくなりそうだね』と語り合いながら楽しみたい」と笑う。
営業時間は、1階ショップ=7時30分~19時30分(日曜は9時~18時)、2階飲食スペース=11時30分~15時、17時30分~24時(土曜・日曜・祝日は11時~)。月曜・第3日曜定休。