品川女子学院(品川区北品川3)で5月26日、エバーノート・コーポレーション(米国)とのコラボ授業「品女×Evernote-新しい授業で起業マインドを養う」が行われた。参加生徒は同学院5年生約100人。
Evernote(エバーノート)とは、PCやスマートフォンなどの情報端末を使って、ノートに記録するように日々のあらゆる情報を仮想空間に蓄積するウェブサービス、またはソフトウエアのこと。同学院では2013年10月から教職員と生徒間、また生徒同士の情報共有のためにエバーノートを導入している。
今回の授業は、生徒が28歳になった時に社会に貢献できる人間に育っていることを目標とした「28プロジェクト」の一環。これまでもクックパッドを招いた「味覚の授業」など、企業との共同プログラムを展開している。本年度からは、文部科学省が定める国際的に活躍できる人材育成を行う学校「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」に指定された。
情報科主任の酒井春名先生は「エバーノートを知識の伝達やスキルの共有など、さまざまな場面で役立て、学校全体の指導力向上につなげようと考えた」と話す。コラボ授業開催の経緯については「同学院のユニークな取り組みやクラウド・モバイル活用などの教育哲学に、エバーノートが賛同したことがきっかけ」とも。
当日は、エバーノート社 CEOのフィル・リービンさんによる特別講演を実施。エバーノートを実際に使用した生徒らの意見を聞いて、フィルさんは「皆さんの意見を今エンジニアに送ったところ」と発言し、会場を沸かせた。さらに、同学院の神谷岳先生によるクラウド・モバイル模擬授業や酒井先生による実践紹介なども。
授業を受けた生徒からは「資料のデータ化やスケジュール管理などをメーンにエバーノートを使っていた。今日の話を踏まえて、もっと有効的に使っていきたいと思った」などの感想が寄せられた。ほか「エバーノート社内の話が印象的だった。優れたスタッフに囲まれた環境で仕事をこなしていると聞いて、自分もストイックに勉強に励みたいと感じた」といった声も。
授業を振り返って、酒井先生は「エバーノートは学校運営に新しい連携や視点を生み出せるツールになると期待している。若い女性の未来を育むためにも、積極的に活用していきたい」と意欲を見せた。