原美術館（品川区北品川4、TEL 03-3445-0651）で1月24日、写真家・蜷川実花さんの個展「蜷川実花：Self-image」が始まる。

記者会見に登場した蜷川実花さん

　蜷川さんは木村伊兵衛写真賞など数々の受賞歴を持ち、「蜷川カラー」と呼ばれる極彩色の鮮烈で華やかな作品で知られる。一方、ポジティブさと隣り合わせの衰退の影や死の気配を捉えた作品も発表している。

　セルフポートレート（自画像）を中心に構成する同展。蜷川さんが「生身に近い、何も武装していない」と語る写真約150点を展示する。

　蜷川さんは「私のデビュー作品はセルフポートレート。そこからスタートして20年間、コマーシャルの仕事をしたり、映画を撮ったりしてきた。大きな仕事をする一方で、原点に立ち返ってみたいという思いが強くなった」と話す。「原美術館は、学生のころから何度も足を運んでいて、いつかここで個展を開きたいと思っていた場所。この展覧会を通して、自分自身が何か変わっていくような予感がしている」とほほ笑む。

　展示スペースは、映像と音楽が交差するギャラリー1や社会のひずみやよどみを鮮明に映し出した作品「noir（ノアール）」を展示するギャラリー2、未発表のポートレート作品を並べたギャラリー3など。

　同館館長の原俊夫さんは「蜷川さんの作品からは生命力を感じる。この展覧会を開催できて幸せ」と笑顔を見せる。同館スタッフは「原美術館35年の歴史の中で、記者発表で原館長が自ら立ち上がってトークをしたのは初めてのこと。蜷川さんの展覧会ができることに興奮を隠しきれない様子」と話し会場を沸かせた。

　営業時間は11時～17時（水曜は20時まで）。入館料は一般＝1,100円、大高生＝700円、小中生＝500円。5月10日まで。