品川区役所(品川区広町2)で2月2日、区が2016年度当初予算案を発表した。
2016年度の予算は1,678億9,850万円で、前年度比11.2%増となった。国民健康保険事業会計は445億7,429万4,000円で、前年1.2%減。そのほか、後期高齢者医療特別会計は0.3%減、介護保険特別会計は1.3%増となった。
記者発表では、2015年度に続いて防災対策に力を入れると明言。「木密地域不燃化 10年プロジェクト」に加え、独立行政法人都市再生機構(UR)との連携を強化した総合的な木密解消を試みる。しながわ中央公園にへリポート機能を持つ防災拠点を完成させる予定。
子育て世代が抱える待機児童対策も重点課題の一つ。2010年度から2015年度の6カ年で、待機児童3624人の受け入れ拡大を実現した。2016年度は854人、2017年度は532人と、今後2年で計1386人の受け入れ拡大を目標に掲げる。
これに伴い、私立保育園や小規模保育事業、認証保育所の新規開設支援として補助金の対象期間の延長や、区独自補助として保育施設の開設前後の家賃補助などを行う。事業予算は10億3,506万3,000円。
切れ目のない育児支援を目標に「しながわネウボラネットワーク」として、産後の家事育児支援やホテルでの産後ケアをモデル実施する。「しながわパパママ応援アプリ」では、子育てに特化した情報を配信予定。
濱野健区長は「この10年で品川区総人口は約13%伸び、中でも0~2歳児は3177人増えた。子どもの活力がある街であり続けたい」と意気込む。
このほか、23区内ではじめて「町会および自治会の活動活性化推進条例」を制定。地域コミュニティーの維持と形成、さらなる活動のしやすさを目標としている。2020年東京五輪・パラリンピックに向けた教育や文化スポーツ振興基金の創設も行う見通しだ。