原美術館(品川区北品川4、TEL 03-3445-0651)は9月12日から、「米田知子展-終わりは始まり」を開催する。同館は今春、2期に渡る改修工事を終え、6月28日にリニューアルオープンしたばかり。
「スナイパー・ビュー ―クリスチャン・スナイパーのポジションから中間地帯を望む、ベイルート」 2004年©Tomoko Yoneda Courtesy Shugo Arts
米田さんはロンドンを拠点に活動している写真家。1965年に兵庫県明石市に生まれ、イリノイ大学シカゴ校とロンドンの「ロイヤル カレッジ オブ アート」で写真を学んだ後、世界各国に被写体を求めながら、独自の世界を確立した。
米田さんの写真の特徴は「見えないものを見る」視線にあるという。1998年から撮り続けている代表作「Scene」シリーズは、何気ない情景に見えるが、実は戦場の跡や緊迫した国境など歴史的な場所を写している。
同展では「Between Visible and Invisible」(モノクロ)、「Scene」(カラー)、「After the Thaw(雪解けのあとに)」(カラー)などの代表作に、未発表新作を加えた約60点を展示。米田さんの制作活動の全体像を見渡す大規模な個展は今回が初となる。
9月15日には同館「ザ・ホール」で米田さん本人によるトークイベントを開催する。開催時間は15時30分~17時。要予約。参加費は2,000円(入場料を含む)。
同美術館は、今年3月に「カフェ ダール」の改修工事を行い、6月には展示室、廊下、階段に最新の照明システムを導入した。毎週日曜日(休館日は運休)には、同館と品川駅を結ぶ無料ミニシャトルバス「ブルンバッ!」も運行している。バスのデザインは若手現代作家の田尾創樹(たお・そうじゅ)さんが手がけた。運航は2009年6月末までを予定。
開館時間は11時~17時(水曜は11時~20時まで)。月曜休館(祝日の月曜は開館、翌日振替休館)。日曜・祝日は14時30分から、同館学芸員によるギャラリーガイドもある。入館料は1,000円。同展の開催は11月30日まで。