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品川区が2022年度予算案を発表 コロナ禍での健康・経済対策、環境保全事業も

戸越公園内に建設中の「品川区立環境学習交流施設 エコルとごし」(写真提供=品川区)

戸越公園内に建設中の「品川区立環境学習交流施設 エコルとごし」(写真提供=品川区)

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 品川区が2月2日、2022年度当初予算案を発表した。

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 会計区分とその前年比は、一般会計が1,890億7,200万円で3.6%増、国民健康保険事業会計が348億9,880万円で0,2%減、後期高齢者医療特別会計が96億1,110万円で7.3%増、介護保険特別会計が272億8,239万円で1,7%増。災害復旧特別会計は15億円で増減なしとした。

 濱野健区長は「最重要課題として、新型コロナウイルスの感染拡大防止と地域経済の回復に取り組む。東京2020大会のレガシーが子供たちの未来と区の発展につながるように政策を進めたい。脱炭素社会の実現に向けて自治体の役割も果たす」と話す。

 新型コロナウイルス感染症対策として、3回目のワクチン接種に向けた体制を整備する。保健所体制を整備・拡充するほか、パルスオキシメーターの追加購入や支援物品の配布などの自宅療養支援、オンライン診療や往診などの診療体制の整備、患者移送体制の充実を図る。

 コロナ禍での区内中小企業への経済支援策では、昨年度に続き融資あっせん緊急資金「経営変化対策資金2022」を用意する。新たに「借換専用資金」の確保と経営改善計画策定支援事業も行う。

 区内商店街の支援強化策では、商店街の課題解決に向けて民間企業と協働事業を展開する場合に一部費用を区が助成する商店街起業連携推進事業を進める。

 東京2020大会のレガシー継承事業では、しながわ中央公園(西品川1)にボルダリングウォールを設ける。旧東品川清掃作業所(東品川2)を整備し、パラスポーツ中心の練習・交流施設や地域イベント会場として貸し出す方針を掲げる。

 環境分野では、戸越公園(豊町2)内に「エコルとごし」を5月にオープンする。2018(平成30)年に策定した「品川区環境基本計画」の一環で、都内公共建築物としては初の再生可能エネルギーにより、年間の一次エネルギー消費量をゼロに近付けた建築物「NealyZEB」認証を取得。環境課題の情報発信拠点として活用し、区民や事業者の理解促進を図る。

 健康・福祉分野では、HPVワクチン定期摂取の個別勧奨を再開し、対象年齢を超えた女性に対してもキャッチアップ接種を行う。認知症ミーティングセンター(仮称)の開設・運営や認知症高齢者グループホーム、障害者グループホームの整備も実施する。

 教育・子育て分野では、小学校・義務教育学校(前期課程)への発達障害児支援員の全校配置に向けてモデル校への配置を始めるほか、2024年開設予定の区立児童相談所の建設工事を進める。在宅子育てを想定したベビーシッター利用支援や、保育施設の巡回・相談支援、ヤングケアラー支援体制の構築も新たに盛り込んだ。

 防災対策では、品川区と都の大規模合同防災訓練を45年ぶりに行う。実施時期は9月1日の「防災の日」を含む1週間を予定。要配慮者向け施策として、在宅人工呼吸器使用者への非常用電源の確保も行う。

 行政手続きでは、全国の自治体初の試みとしてAI検索システムによる戸籍事務支援を導入。マイナンバーカード発行・活用のため写真撮影から申請まで一貫して行えるタブレット端末を区役所に設置し、各所の操作支援端末を更新する。

 区内初のシティマラソン大会開催に向けた準備や3月からの西大井駅・大森区間でのコミュニティバス試行運転、自転車活用推進に向けた検討、空き家の有効活用の促進、粗大ごみのリユース事業、道路不具合の投稿アプリ「しなみちレポート」の本格導入なども予定する。

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