レコード&カフェ「春の雨」(品川区豊町6)が中延駅近くの大原通り沿いにオープンして2カ月がたつ。
店主の中澤敬さんはコロナ禍での子育てを契機に働き方を見直し、勤めていた会社を退職。約1年の準備期間を経て、なじみのある中延エリアで同店を創業した。
内装デザインはspread it(戸越4)、店内の棚などは瀬尾商店(戸越1)が手がけた。店舗面積は10坪。席数は8席。
取り扱うレコードはアンビエントミュージック専門で、約400枚をそろえる。海外を中心に20~30レーベルから仕入れた新品で、今後は中古レコードの買い取りも検討する。
中澤さんは「アンビエントは『環境音楽』とも呼ばれる。こうした音楽の成り立ちや目的を踏まえ、都心ではなく地域住民の生活圏に店を開きたいと考えた。レーベルとは直接取引が多く、国内ではあまり流通していないレコードもある」と話す。店名は、坂本龍一さんとクリスチャン・フェネスさんによる共作アルバムの収録曲「haru」に由来するという。
レコードを定価販売するだけでなく、利用客にヒアリングして中澤さんが数枚のレコードを選ぶプラン(1万円~)も用意。選定理由などを記した手紙を添え、購入者の自宅や友人宅にギフト配送する。持ち運びできスピーカーを内蔵するレコードプレーヤー「GP-N3R」復刻版(1万9,800円)の販売も。
カフェメニューは、「コンパスコーヒー」(旗の台4)の豆を使うコーヒー(S=360円、M=420円)、ハンドドリップのカフェインレスコーヒー(S=410円、M=470円)、クラフトビール(750円~)、ワイン、ハイボール、ジントニック(以上、各700円~)、ホットココア(650円)など。焼き菓子(460円~)やフェアトレードのチョコレート(380円)、野菜チップスやミックスナッツ(各300円)なども提供する。
「レコード店の来店ハードルを下げたい。音楽の詳しさを問う場ではないので、カフェとしても気兼ねなく立ち寄って」と中澤さん。「室内で聞く音楽もいいものだが、今後は街に出て、外で音楽を楽しむ企画もやってみたい。地域の方と関わっていけたら」とほほ笑む。
営業時間は9時30分~17時30分。不定期の夜営業は19時~23時。営業日は公式サイトで告知する。