品川区議会が2月20日、令和6年第1回定例会本会議から、区議会議員の「君(くん)」呼びを廃止した。
きっかけは小学生からの意見という。区内の小学6年生児童が昨年11月末、授業の一環で区議会定例会本会議の一般質問を傍聴し、終了後アンケートを行ったところ、議長が議員を指名する際に「◯◯君」と呼ぶ場面に、「不思議だった」「面白かった」「気になった」といった意見が複数寄せられたという。
小学生の声を受け、品川区議会は2月20日に始まった令和6年第1回定例会から、議員の敬称を「◯◯議員」に統一した。品川区議会事務局長は「都議会のように男性議員を『◯◯君』、女性議員を『◯◯さん』と呼ぶ案もあったが、性別を問わず使える敬称に決定した」と話す。小学生からの意見が出るまで、「君」呼びの変更について検討したことはなかったという。
品川区議会の女性議員は「国会でも『君』呼びなのでこれまで違和感はなかったが、確かに区内の小学校では性別を問わず『さん』付けが一般的。小学生の素朴な疑問をきかっけに反映できたのは喜ばしいこと」と話す。男性議員は「区民の皆さまと同じ目線を大切にするなら、一般企業のように『さん』付けでも良かったのかもしれない。ただ、議会はどうしても古くて堅苦しい印象を持たれがちなので、区民の声を聞いて慣習を変えていく姿勢を示せたのはよかった」と評価する。
同事務局長は「小学生も区民の一人。品川区議会として、今後も区民の意見を聞きながら、議会の改革に取り組んでいきたい」と話す。