総合デベロッパー「テーオーシー」(品川区西五反田7)が4月9日、TOCビル(同)建て替え計画の変更を発表した。
1970(昭和45)年に完成した同施設。店舗やオフィス、飲食街、小売テナント、ショールーム、ホール、会議室、展示場などを備え、卸売業や流通業を支える五反田のランドマークとして知られる。地下3階・地上13階建て、延べ床面積=約17万4013平方メートル。
テーオーシーは2021年8月、築50年以上が経過したため建て替え計画を発表。当初2023年3月末の閉館・解体工事を予定していたが、世界的なインフレを背景とする建設関連費用高騰を主な理由に1年延期し、現施設は今年3月末に閉館した。
取締役会では今回、建築費高騰やビル賃貸市場の状況を考慮し、高収益化を目指すよう見直したビル建設計画を決議。建物の検査やメンテナンス、リニューアルを行った上で、今年9月ごろからビル賃貸と催事事業を再開する方針という。このほか、新たな計画として分譲住宅事業などの追加も検討している。
閉館が迫った今年1月以降は、飲食や小売テナントの閉店や移転が相次いだ。青果店「旬八」は3月12日に最終営業を行い、同15日、東急池上線高架下に移転、「五反田食事処・志野」は3月30日に閉店し、4月26日グランドオープンを控えた五反田JPビルディング(西五反田8)1階のフードホールに出店する。
同社によると、新TOCビルの建て替え工事着手は2033年9月ごろを想定しているという。