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品川区が子育て世代に米を配布 所得制限なし、子ども1人につき2キロ

米を受け取った小学6年生と2年生のきょうだい

米を受け取った小学6年生と2年生のきょうだい

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 品川区が8月5日、子育て世代への米の配布を開始した。

米を渡す様子

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 学校給食がない夏休み期間中の食事を支援する「子育て世代へのお米支援プロジェクト」は、小中学生がいる区内の子育て世帯を対象に、子ども1人につき米2キロを配布する。所得制限は設けず、希望する全世帯が対象。

 同プロジェクトは、令和6年度第2回定例会で採択された「ウェルビーイング補正予算」の1つ。昨年実施した全区民アンケート約10万人分の自由記述欄を生成AIで分析した結果を基に立案したという。

 7月16日から8月5日まで品川区電子申請サービスで申し込みを受け付け、申請時に希望した区内の児童センターで米を手渡した。米の銘柄は、品川区と連携協定を締結している福井県坂井市産の「華越前」。

 八潮児童センター(品川区八潮5)では、受け取りに来た子どもにスタッフが「最近、ごはんは食べられていますか?」「朝ごはんは食べましたか?」と質問しながら米を渡した。児童センターで配布することで、普段センターに来ない人々の来訪を促し、アウトリーチ支援につなげる狙いがあるという。

 子ども4人を育て、うち2人が配布対象の母親は「夏休み中は3食用意し、その都度5合ずつ米を炊いている。すぐに食べきってしまうので、配布はとても助かる。今夜から使うつもり」と話す。親が申し込んでいた米を受け取りに来たという中学1年生は「夏休み中は家族全員でごはんを食べる機会が増え、食材の減りも早く、お母さんに負担をかけていると感じる。物価も上がっている中でお米をもらえるのは、家計の助けになると思う」と評価する。

 森澤恭子品川区長は「想定よりも多くの応募があったことや、配布の現場を実際に見たことで、改めて夏休み中の子どもへの食の支援は重要だと実感した」と施策を振り返る。「所得制限がちょうどかかるところで困る人が多いことも認識しているので、制限は設けなかった。親の所得にかかわらず、全ての子どもに支援が届くようしていきたい」とも。藤村信介子ども育成課長は「今回の効果を検証し、来年度以降、冬休みや春休みの際の支援も検討していきたい」と話す。

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