品川区内にオフィスを構え、「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」(光文社新書)などの著者として知られる公認会計士の山田真哉さんが1月1日、ツイッターで育児休業宣言をつぶやいた。
山田さんは春ごろに子どもが生まれるため、4月から2年間ほど育児休業に入る予定。その間、講演や取材などの突発的な仕事は断るがレギュラーの仕事は続けるため、週2日は働くという。「全く働かないのはやはり経済的に厳しい。ただ、育児休業に入るために計画的に蓄えてきた」と山田さん。
現在33歳の山田さんが、育児休業の取得を意識したのは大学生のころ。「2年は育児休暇を取りたかったので、普通のサラリーマンでは無理だと思っていた。そのために資格を取得し、公認会計士になった。まだ妻に出会う前から決めていた」と振り返る。
今年最初の「つぶやき」で休業宣言。「頑張ってください」の応援メッセージが寄せられるなど反響はあった。中には、妹からの「2年間も休業したら反感を買うのでは」など厳しい意見も。
山田さんは今月、一挙に3冊の新刊を出版。「会議でトンチンカンな発言をする人向け」のビジネス書「目のつけどころ」(サンマーク出版、1,260円)、税金のシステムについて小説と解説を織り交ぜながら「狭く深く」掘り下げた「会計探偵クラブ 大人も知らない税金事件簿」(東洋経済新報社、1,470円)、私立高校の簿記部を舞台に描いた小説「フラン学園会計探偵クラブ」(角川書店、580円)。今年4月にはさらに2冊を刊行する予定。
「出版も育児休業を見据えたものか?」との問いに、「単に後回しになっていた仕事を一気に片付けただけ」と笑う山田さん。育児については、「男性も参加するべき、ということではなく単に哺乳(ほにゅう)類として興味があった。自分のやっていることを普遍化させたいわけではない」とし、今後については、「育児を自分が体験することで、社会がどうあるべきか考えたい。35歳までは育児に専念し、その先のことはこれから考える」話す。