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リヤカーブックスが電書「紅帯十段・安部一郎」を販売-「大人の伝記シリーズ」で

「紅帯十段・安部一郎」の著者・有馬ゆえさん。「安部十段は大好きな柔道だけに取り組んできた人。決して器用な方ではないが、好きなことをコツコツと地道に続けることの大切さ・素晴らしさを感じた」

「紅帯十段・安部一郎」の著者・有馬ゆえさん。「安部十段は大好きな柔道だけに取り組んできた人。決して器用な方ではないが、好きなことをコツコツと地道に続けることの大切さ・素晴らしさを感じた」

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 リヤカーで本の販売を行う「リヤカーブックス」は11月12日、電子書籍「紅帯十段・安部一郎」をリリースした。経営はノオト(港区高輪3)。

46枚の写真を掲載した「紅帯十段・安部一郎」

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 ウェブコンテンツや書籍の企画・編集などを行う同社は、書店と同じ名称の電子書籍レーベル「リヤカーブックス」事業を9月よりスタート。出版社を介する必要のない電子書籍のみで展開し、App Store(アップストア)で販売する。ダウンロード価格は230円。

 制作コストは、アップストアへの登録料(約3万円)、アプリに落とし込む作業費(約5万円)、モリサワ「MCBookビューア」年間契約料(約5万円)などを含めて約20万円。

 「現在iPhoneなどで読める電子書籍のほとんどが、すでに紙の書籍として出版されたもので、価格が1アプリ800円とそもそも高すぎる。ダウンロードしているのは業界関係者くらいではないか、と冗談で思っているくらい(笑)。電子書籍のみであれば、低コストでの制作を実現でき、アプリの販売価格も抑えることが可能。利益は少ないが、ビジネスとして成り立つかを検証してみたい。目標販売数は1,500ダウンロード」と同社社長の宮脇淳さん。

 1作目となる「紅帯十段・安部一郎」は「大人の伝記シリーズ」としてリリース。一般的には知られていないが、「実はすごい人」「自分たちが面白いと思った人」にスポットを当てた「現代版の伝記」として 1冊のオリジナル電子書籍としてまとめた。

 安部一郎さんは、「その存在が柔道」とされる功績を持った人物のみに与えられる柔道十段・紅帯の持ち主。同段を持つ人物は歴史上わずか15人で、安部さんは健在する3人のうちの最高齢者。リリース当日は、安部さん88歳の誕生日に当たる。

 著者の有馬ゆえさんは、フリーマガジン「R25」のライターとしても活動している。2008年5月15日号の記事「柔道帯の最高位は、何と紅!? “紅帯”所持者に投げられてきた!」の取材で安部十段に出会い、その人柄に魅了されたという。

 有馬さんは「安部さんはヨーロッパに柔道を広めたほどの人だが、誰に対してもフラットな姿勢。取材を通して、安部さんの指導者としての在り方はどの立場に置き換えることもできると感じた。安部さんがどんな風に柔道を愛したか、多くの方に知っていただきたい」と力を込める。

 今後の展望について、宮脇さんは「シリーズ化して、『自分たちが思う面白い人』をどんどん世に紹介していきたい。安部十段は世界で活躍している方なので、いずれ翻訳版を出せれば。今販売されている本のほとんどが、売れるから作るというものが多いと思う。小さな会社ならではの、自分たちが読みたい書籍を作りたい。あとは売れる仕組みを作るだけだが、何かいいアイディアありません?」と笑う。

 リヤカーブックスは、同書籍のリリースを記念し、Ustreamで「ノオトTV」を初配信する。開始予定は12日20時ごろ。

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