原美術館(品川区北品川4 TEL 03-3445-0651)は11月17日より、「ピピロッティ リスト:からから」を開催する。
リストさんは現代ヨーロッパ美術を牽引するスイス人女性アーティスト。同展は、日本の美術館における初の個展となる。同館では、大型インスタレーション「Das Zimmer(The Room)」(1994/2007年)をはじめ、ベネチア・ビエンナーレで話題を独占した映像「Ever Is Over All」(1997年)、今年制作された「A la belle etoile(Under The Sky)」など、代表作10点を一堂に展示する。
「からから」というユニークな題名は、リストさん自身が名づけたもの。乾燥した状態を表す擬態語であり、屈託のない高らかな笑い声を表す擬声語でもある日本語の「からから」に共鳴し、同展のタイトルに決めたという。
リストさんは、80年代後半から「ビデオ・インスタレーション」をスタートさせた。音楽と映像を融合したストーリー性のある作品を制作。ピンクやオレンジといった明るくかわいらしい鮮明な色彩、劇場的なセッティング、リズミカルな編集、ユーモアに富んだ全く新しい映像表現を通じて、ビデオというメディアの可能性を広げている。フェミニストたちが否定する「女性の女性らしさ」を肯定し、不器用ながらも自由な個人としての女性を謳歌する作品は、フェミニズム論議の新しい位相の視覚的表現としても評価されている。
初日の11月17日には、同館ザ・ホールで、リストさん自身が制作について講演する「Meet the Artist: Pipilotti Rist」も開催。開催時間は14時~15時30分。参加費は2,000円(入館料含む)。要予約。
開館時間は11時~17時(水曜は20時まで、入館は閉館時刻の30分前まで)。休館日は月曜日(祝日の月曜は開館)、12月25日~2008年1月4日、1月15日。日曜・祝日は14時30分から、同館学芸員によるギャラリーガイドもある。同展の開催は2008年2月11日まで。