東急大井町線戸越公園駅(品川区戸越5)は2月24日、ホームの延伸工事完了に伴い大井町方面2両のドアカットが解消された。
ドアカットは、ホームより列車の全長が長いために一部のドアを開けられず、限られた車両のドアから乗降すること。車内では戸越公園駅到着前に、「本日より5両全てのドアがご利用いただけます」と、車掌のアナウンスが流れた。
18メートル車両×3両編成(1965年3月まで)、18メートル車両×4両編成(1974年3月まで)が往来していた時期は、同駅では車両の全てのドアが開閉していた。しかし、1974(昭和49)年4月より乗客の増加によって20メート車両×4両編成となり、ホームの長さが不足。近年は20メートル車両×5両編成が運行し大井町側2両がドアカット状態だったが、約40年ぶりに全てのドアが開くようになった。
東京急行電鉄広報課の柳澤成行さんは「車両を増やした当初からドアカットを解消したい思いはあったが、ホームの延伸には用地が必要。土地を確保できたことで、ようやく実現に至った」と話す。ホームの延伸には下神明2号踏切を移設し、スペースを確保した。
近隣に住む女性は「戸越公園駅から大井町駅に向かう場合、利用できない大井町側の車両が大井町駅の改札に一番近いので、乗り換えで急いでいるときにすごく不便だった。扉が開くようになって良かった」と話す。「友達が家に来るときは毎回、『大井町駅側の車両は開かないから乗らないでね』と伝えていた。扉が開かないことを知らない人が慌てて隣の車両に移って降りたり、降りそびれる光景を何度も目にしたりと、ハプニングが多かった」と笑う。
同線で唯一のドアカット状態となる九品仏駅については、「残念ながら、現時点でホームの延伸は未定」と柳澤さん。「今後も引き続き、安全性や利便性の向上に努めていく。お客さまに『選ばれる沿線』となれれば」と話す。
戸越公園駅の1日の平均乗降者数は約1万2,000人(2011年度)。