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品川区立台場小学校で「デフリンピック」イベント開催 児童がデフ選手と交流

デフリンピックのポーズを取る登壇者と児童たち

デフリンピックのポーズを取る登壇者と児童たち

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 デフリンピックに関するイベント「学ぼう!デフリンピック特別授業」が7月19日、品川区立台場小学校(品川区東品川1)で開催された。主催は東京都。

手話を紹介する東京2025デフリンピック応援アンバサダーの川俣郁美さん(左)と、デフ柔道選手の佐藤正樹さん

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 聴覚障害を持つ「デフアスリート」が出場する、国際的なスポーツ競技大会「デフリンピック」について学ぶ同イベント。デフリンピックは4年に一度、夏季大会と冬季大会が交互に行われ、第1回夏季大会は1924(大正13)年にフランスで開催された。2025年の東京大会で100周年を迎える。

 東京都はデフリンピック開催500日前の7月3日、都内全1382小学校の4~6年生、約34万人に、デフリンピックの概要や聴覚障害、手話などについてまとめた冊子「学ぼう!デフリンピック」の配布を始めた。イベントでは、同冊子をもとに台場小学校の6年生が、デフリンピックや手話コミュニケーションを学んだ。

 イベントの第1部は、栃木県聴覚障害者協会理事で東京2025デフリンピック応援アンバサダーの川俣郁美さんと、デフ柔道選手の佐藤正樹さんが登壇。手話通訳者同席の下、児童たちにデフリンピックや自身の生い立ちなどについて話し、いくつかの手話も紹介した。クイズの出題では児童が回答する際に手話通訳をストップし、子どもたちはボディーランゲージや習いたての手話で川俣さん、佐藤さんと交流した。

 第2部は、佐藤さんと、タレント・俳優で東京2025デフリンピック応援アンバサダーの長濱ねるさんが参加。光の点滅でスタートを知らせるランプなどデフスポーツ競技用具を紹介し、6年1・2組の児童とともにユニバーサルコミュニケーションツール「Ontenna(オンテナ)」を体験した。「Ontenna」は腕などに付けて使い、機器の振動と光の点滅によって、ろう者も聴者も音のリズムやパターン、大きさを知覚できる。イベントの最後は、手話の単語を振り付けに取り入れたデフリンピック応援ソング「しゅわしゅわ☆デフリンピック!」を参加者全員で踊った。

 長濱さんは「音や光など、技術でいろいろなものの垣根を越えていく工夫を実際に体験することで、児童の皆さんにとってデフスポーツが身近になったのではないかと思う。日本で初めてのデフリンピックを、より一層盛り上げていきたい」と話す。

 佐藤さんは「児童の皆さんは手話で表現するのが上手だった」とコメント。「まずはデフリンピックがあるということを人々に知ってもらいたい。そこから、コミュニケーションの工夫など、聴覚障害者と関わる際にそれぞれができることを考えてくれたら」と話す。

 参加した6年生児童は「20人に1人は聴覚障害を持っているなど、数字を知ることで身近になった」「自分の名前や『ありがとう』など、簡単な手話を覚えたい」と話していた。

 東京2025デフリンピックは2025年11月15日~26日、東京、福島、静岡で開催する。

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