「品川区障害者就労体験事業」施設(品川区旗の台5、TEL 03-6433-2579)が9月25日、旗の台駅南口近くにオープンした。運営は社会福祉法人げんき(東大井5)。
「品川区障害者就労体験事業」施設のカフェコーナー。接客ロボット「OriHime」(中央)を導入する
リサイクルショップ「リボン 旗の台店」跡を改装して活用する同施設。店舗面積は167坪。
就労意欲のある障害者に、カフェでの接客や事務補助、清掃業務などの就労体験の場を提供する。障害、持病、引きこもりなどで長時間労働が難しい人が週20時間未満で働く「超短時間雇用」を支援する。外出が困難な人のため、遠隔操作で接客ができるロボット「OriHime」を区内の就労体験事業所では初めて導入した。
事業を始めた経緯について、品川区障害者支援課課長の松山香里さんは「近年、品川区の障害者就労支援センターの登録者が増加しており、障害がある方の就労意欲が高まっている。一方で、民間企業への就職後に雇用が定着しないケースも多い。就労体験の機会や社会との関わりをつくり、自身の適正を把握できる場を創出したい」と話す。
施設内には、カフェコーナー、ソファ、キッズスペースなどを用意し、区民の憩いの場として誰もが利用できる。
超短時間雇用の体験は、品川区在住で長時間働くことが難しい人が対象。見学や面談を経て実習に移る。就労体験は在住区や年齢に関わらず誰もが可能。予約不要で、事務作業や「OriHime」操作を体験できる。
カフェコーナーでは、カプセル式コーヒーメーカーの「リッチブレンド」や「カフェオレ」(以上130円)、「ミルクティー」(150円)などを販売。このほか、区内の就労継続支援A・B型事業所で作る焼き菓子や雑貨なども用意する。同区障害者支援課の長尾祟弘さんは「区内にある12事業所の製品を置いている。『しながわみやげ』や品川区と連携協定を結ぶ自治体の特産品も販売しているので、そちらも楽しんでもらえたら」と話す。
同事業では、企業などの発注元と就労継続支援A・B型事業所の受注元をつなぐ、共同受注窓口の役割も担う。1事業所では対応が難しい大口案件を受注し、複数の事業所に分散して発注するよう調整する。このほか、不要となった区内学校標準服などを回収し、必要な人に無償で譲渡するリユース事業も行う。
今後の展望について秋山さんは「区民が集えるスペースでは体操プログラムなどを行っていく予定。多くの人に利用してもらい、共生社会を具現化できる場にできたら」と話す。
営業時間は、火曜~金曜=11時~18時、土曜=10時~17時。月曜・日曜・祝日定休。