戸越銀座商店街(品川区戸越1)は8月25日、ユビキタス商店街プロジェクトの研究成果発表の拠点として「ユビキタス戸越銀座ラボ」(同戸越1、愛称「とごしタス」)をオープンした。
戸越銀座は全長約1.6キロメートルに400軒の商店が並ぶ大規模商店街で、2006年度から商店街電線類地中化事業を実施している。ユビキタス商店街プロジェクトでは、同商店街と区、明治大学(千代田区)が連携。敷設予定の光ケーブルと無線LAN環境を活用し、商店街でユビキタスをどのように活用できるかの具体像を探っている。
商店街全体のネットワーク化により、大売出しやグルメなどの商店街情報、防災、安全、福祉など暮らしの情報、地域の観光情報などを、来客・地域・商店街などに対して提供していく予定。情報を提供する装置として、カメラ、スピーカー、ディスプレー、無線LANターミナルなどを備えた街路灯を検討している。
今後、同プロジェクトでは、商店街電線類地中化事業の完成予定である2012年に向けて、実証実験を進める。商店街に有効な使い方を見極めて開発し、研究成果は「とごしタス」に展示。「とごしタス」の名前は、ユビキタスの語呂合わせに加え、戸越銀座に何かを「足す」の意味を込めた。
オープン当日は、同商店街関係者をはじめ、明治大学教授の安蔵伸治さん、品川区副区長の山田恵美子さんらが出席し、同商店街キャラクターの銀次郎とともにテープカットを行った。プロジェクト副委員長の亀井哲郎さんは「商店街がIT化した時に、暮らしの中心地としての役割をどうになうかが焦点となる。見た目を立派にするのではなく、情報を使って豊かな商店街作りを行い、便利さと安心、安全を提供できる日本一住みやすい街を目指して研究を進めたい」と、意気込みを見せる。