大井町の池上通り沿いにあるすし店「すし処さいしょ」(品川区大井4、TEL 03-5709-0572)は2月4日、フォロワーの数だけ料金を割引く1日限定の「Twitter(ツイッター)割引」を行った。
フォロワーとは、自分のツイート(つぶやき)を登録している人のこと。入店時、店舗スタッフにツイッターユーザーであることを伝え、会計時にフォロワー数を表示することで、1フォロワー=1円を会計料金から割引くルールを設定した。会計は個別精算で、フォロワー数の貸し借りはできない。割引の上限はなく、フォロワー数が会計総額以上なら無料になることも。
当日は20時30分の時点で8人待ち。ピーク時でおよそ1時間待ちだったが、並びながら「ツイッターですか?」「初めまして」と言葉を交わし、名刺交換をするユーザーの姿も見られた。フォロワー数が約6,000人のビジネスマンはパソコン片手に、「会計が5,500円だったのでタダになった。ネット上の顔見知りの人たちにも、初めてリアルに会えた」と満足した様子。
21時過ぎには、全席がツイッターユーザーで占められた。店内には、アイフォーンを片手にすしを食べてツイートする人、動画配信サービス「ユーストリーム」でライブ中継を行う「ダダ漏れ女子」の姿も。「カウンター席にはパソコン、ネット用語が飛び交うなど異様な雰囲気だった」と店主の税所(さいしょ)伸彦さんは笑う。
税所さんのツイッター歴は1カ月で、日々朝の仕入れと「まかない飯」についてツイートしている。「ツイッター割引」のきっかけは、常連客のアドバイス。高円寺にあるゲーム店「すごろくや」(杉並区)が行った同様の割引きサービスを参考にしたという。来店客の女性は「ただ安くなるだけなら行かない。大将が仕入れの様子をツイッターでマメにつぶやいているのを見て、この店なら行きたいと思った」と声を弾ませる。
この日、訪れたツイッターユーザー数は35人。フォロワー数が11万人を越える強者もいたが、すべて無料になったのは2人のみだった。平日の約4倍の利用客が入り、利益は「トントンくらい。若干のプラス」(税所さん)という結果に。
税所さんは「今回の企画を行うと決めた時には、全員無料になってもいいと思っていた。マスコミの取材も何件かあり、宣伝効果を考えるとこの結果には満足している。次回の開催も考えているが、課題は常連客とのすみ分け。定休日に行うなど、ツイッターユーザー対象の日を決めた方がいいかもしれない」と話す。
営業時間は、ランチ=12時~14時(仕込み状況による)、ディナー=17時~23時。月曜定休。