苦くない「こどもピーマン」-タキイ種苗、品川の小学校で発表会

タレントの哀川翔さん(後列右)と品種開発者の石津祐志さん(後列左)と「こどもピーマン」をかぶりつく浅間台小学校の生徒たち

タレントの哀川翔さん(後列右)と品種開発者の石津祐志さん(後列左)と「こどもピーマン」をかぶりつく浅間台小学校の生徒たち

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 品川区立浅間台小学校(品川区南品川6)で11月1日、「タキイ種苗 175周年新品種『こどもピーマン』発表会」が行われた。

辛くも苦くもない「こどもピーマン」とは?

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 1835年創業のタキイ種苗(京都市下京区)。野菜、草花などの種子の開発や生産、販売などを行っており、これまでに開発した品種は約200種に上る。新品種「こどもピーマン」は、長さ約10センチ、重さ約40グラム。「苦味が少ない」「ピーマン臭がない」「肉厚でジューシー」「ビタミンC・カロテンが豊富」などの特徴がある。

 同品種の元になっているのはメキシコのトウガラシ「ハラペノ」。「生でも熱を通しても非常においしい品種だが、問題はその辛さ。日本に紹介したいと思ったが、入口だけでなく出口にもくる辛さなので苦しい思いをした」と品種開発者の石津祐志さん。メキシコ向けトウガラシを育成する中で、突然変異により全く辛くない個体が見つかった。この個体から「こどもピーマン」の育成が始まったという。開発にかかった年月は約10年。

 発表会のゲストとして、タレントの哀川翔さんが登場。「禁断症状が出るほどピーマン好き」という哀川さんは、「こどもピーマン」を試食し、「形が画期的。シャキシャキして生で食べてもおいしいので、さまざまな料理に取り入れられる。炭火で焼いて早速キャンプのメニューにも取り入れたい。幅広い料理に使えるピーマンが生まれて、今後が楽しみ」と期待を寄せる。

 会場の浅間台小学校では「食農教育」に力を入れており、構内に作った畑で野菜や米などを栽培している。「ピーマンが嫌いな理由」について研究した3年生の児童もこどもピーマンを生でほお張り、「おいしい」「いくらでも食べられる」などとアピール。その後、小学2・3年生の児童と哀川さんらが試食を行った。

 石津さんは「試食会ではほとんどの児童が完食してくれて大変うれしい。嫌いな食べ物上位に入るピーマンだが、もっとこどもピーマンを食べていただき市場を活発にしたい」と意気込む。

 品種名は「こどもピーマン『ピー太郎』」で、価格は約30粒=577円、100粒=1,575円。同社では、従来のピーマン産地のほか、新規品目として取り組む産地、直売所や家庭菜園などへも売り込んでいく。

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