中延駅近くの共同ビル(品川区戸越6)で3月1日、ビル一棟をアトリエとするプロジェクト「インストールの途中だビル」が始まる。マネジメントは「生かす、つなげる、しかもドラマチックに」をテーマに、まちづくりの企画運営を手掛ける「まちづくり会社 ドラマチック」(台東区)。
同プロジェクトは、所有者のいる店舗やオフィス、商店街などで、空き物件や空き時間を発見・紹介するソーシャルビジネス「MaGari(マガリ)」の一環。これまでも、書店とつながるレンタルオフィス(渋谷区)や高円寺の高架下にあるシェアオフィス(杉並区)など、ユニークな物件を手掛けてきた。ビルをアトリエとする試みは今回が初。
同社社長の今村ひろゆきさんは「建物というハードに、クリエーターが入る=さまざまなソフトをインストールするという感覚で今回のプロジェクトを考えた。駅前に『もの創り』の現場があることで、『面白そうだ』と街に興味を持つ人が増え、活性化につながるのでは」と話す。
アトリエとなるのはビル2階~5階の4フロア。1スペースは7.2平方メートルから92平方メートルに設定し、利用方法に応じて空間をアレンジできる。1つのスペースを数人でシェアすることも可能。料金は広さによって異なり、月額1万4,500円~。共益費や水道光熱費、保証金が別途かかる。
対象者は、デザイナーや映画監督、アーティストなど「プロフェッショナル意識を持って、もの作りを行う」人。ポートフォリオや活動履歴の提出し、今村さんとの面談を経て入居が決まる。応募はすでに20組近くあり、物件を見て即決する人もいるという。
今後について、今村さんは「『古い』というだけで、何年も空き家となっている物件がまだまだたくさんある。そうした空間を活用して街に貢献するだけでなく、活動場所を求めている人の後押しをしていきたい」と意欲を見せる。
詳しくは「MaGaRi」の公式サイトで確認できる。