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大井町のすし職人が切り絵展を開催 50年間、仕事の合間に個人制作

「山田寿司」すし職人の中山章雄さん

「山田寿司」すし職人の中山章雄さん

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 大井町駅近くの「山田寿司(すし)」(品川区大井1)のすし職人による作品展「葉蘭(バラン)切り絵展 寿司職人 伝統の技」が6月21日~23日、「イトーヨーカドー 大井町店」(大井1)8階の品川区民ギャラリー(TEL 03-3774-5151)で開催される。主催は山田寿司と日本理化工業所(大井1)。

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 作品は「山田寿司」のすし職人である中山章雄さんによるもの。すし用のバランを使った切り絵作品30点を展示する。中山さんの作品展示は、地元である岐阜県での開催以来2度目。都内での個展は初めて。

 バランとは、植物のハランやササに包丁で切り加工を施し、すしなどの折り詰めや弁当に敷いたり区切りにしたりするもの。食材の傷みや味移りを防ぐほか、盛り付けを彩る役割を持つ。現在は、一般的に緑色のプラスチック製シートが使われる。

 「山田寿司」は1924年(大正13年)に創業。現在は、3代目店主の森俊樹さんと、中山さんが切り盛りする。中山さんは、1944年(昭和19年)生まれ。1960年(昭和35年)に同店に入店し、2代目店主の元で修業を積んだ。修業時に身に付けたバラン切りの技術を生かし、趣味の個人制作を約50年前から続けてきた。

 作品は、プラスチック製のバラン用シートに和包丁で切り絵を施したもの。モチーフは、貴乃花や曙などの力士や、花魁(おいらん)など江戸時代の人物、昇り竜など。勤務外の時間に制作を進め、1つの作品が完成するまでには30時間以上かかるという。

 すし職人として勤務中に行うバラン切りとは趣旨が異なるため、バランを使った切り絵作品を作る同志にはこれまで会ったことがないという。「仲間がいれば違った楽しみもあったかもしれないが、自分だけの趣味として続けてきた」と中山さん。制作を続けるうちに、相撲など自分の好きなものを見ると「切り絵でどう表現できるか」を考えるようになったという。

 「平面でも躍動感が出るよう、構図や切り方を工夫するのが、難しくも楽しい。細部にも注目してもらえたら」と中山さん。同展示について、「会場は山田寿司のすぐ近く。店のお客さんにも見ていただけたらうれしい」と笑顔を見せる。

 開催時間は10時~20時(最終入場は30分前、最終日は15時閉場)。入場無料。

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