「品川区立障害児者総合支援施設」(品川区南品川3、TEL 03-5460-1270)が、青物横丁駅の元なぎさ通り沿いにオープンして2カ月がたった。指定管理者・運営事業者は品川区、社会福祉法人愛成会(中野区)、社会福祉法人ゆうゆう(北海道)、社会福祉法人グロー(滋賀県)、一般社団法人日本精神科看護協会(港区)。指定管理者制度によって事業別に運営する。
コンセプトは「障がい児者の福祉増進、地域生活を支える拠点」。場所は品川児童学園跡。品川区福祉部障害福祉課の障害者施策推進担当担当・築山憩(つきやまけい)課長は「建物の老朽化による建て替え工事を行い、併せて機能を拡充した。以前は外から中が見えないよう周囲を柵で囲っていたが、地域に開かれた施設を目指して取り払った」と話す。
建物は地下1階・地上6階。施設内はパブリックゾーン(地下1階~1階)とプライベートゾーン(2階~6階)。パブリックゾーンには多目的室と精神科クリニック、精神科デイケア、訪問看護設備や地域活動支援センター、カフェレストラン「みんなのテーブル」を備える。
多目的室では運営事業者主催で地域向けのイベントを行う。今秋には針金で作った人形や落ち葉で作った動物などを展示する「アール・ブリュット展」を開催した。カフェレストランは就労継続支援B型として、障がい者の就労支援も兼ねる。
プライベートゾーンには「品川区南品川障害児者相談支援センター」、児童発達支援センター「品川児童学園」、生活介護施設、短期入所サービス施設を用意。未就学児や学齢期の養育相談や発達支援、福祉サービスの手続きについてなどの相談も受け付ける。「子どもから大人になっても、当施設で生活のサポートをできるよう、サービスを整えた」と築山さん。
施設の今後について「主目的である障害児者の受け入れを拡大していきたい。将来的には、当施設があることで、在宅生活をする人も支えられるような場になれば」と意気込みを語った。「品川区では、障がいのある人とない人が共に暮らせることを目標としている。その実現の足掛かりとして、カフェでお茶を飲むなど、身近なところから理解を深めてもらいたい」と施設の利用を広く呼び掛ける。
各施設の利用料は、障がい児者支援については障がい福祉サービスなどの自己負担に基づいた金額。多目的室は利用時間帯により料金は異なり、障がい児者の福祉増進活動での利用であれば免除となる。