「働く・暮らすの実験場」を掲げる「THE CAMPUS(ザ・キャンパス)」(港区港南1)が、品川駅港南口近くにオープンして1カ月がたった。運営はコクヨ(大阪府)。
同社の品川オフィスと東京ショールームをリノベーションした施設。地上11階建ての南館(旧品川オフィス)と地上5階建ての北館(旧ショールーム棟)を全面改装し、南館の1~2階と北館1階の一部をパブリックエリアとして開放する。施設面積は、南館(1・2・4~9階)=1319坪、北館(1・2・5階、ショールーム)=2141坪。
コンセプトは「みんなのワーク&ライフ開放区」。リノベーションの経緯について、同社広報の片桐友美さんは「人々の価値観や生き方に大きな変化が生まれる時代に、オフィスの在り方を見つめ直したいと考えた。長期的な視点で社会活動に取り組み、未来につながる価値を探求するため、さまざまな専門性や経験を持つ人々と実験・実践する場になれば。利用者の創造性を刺激して、交流や発見をもたらしたい」と話す。
南館と北館の間に設ける屋外空間「PARK」は、「WORKとLIFEを楽しむすべての人のための公園」をテーマに掲げ、テーブルや椅子を設置する。日替わりキッチンカーの出店やイベント開催を予定。席数は約20席。
南館1階の「PARKSIDE」エリアには、コクヨの製品が購入できる「THE CAMPUS SHOP」、カフェ「COFFEE STAND .OTTEN(エッテン)」を設ける。一般利用者向けに家具や文房具を展示するコーナー、自由に演奏できるストリートピアノ、休憩や一時作業用のスペースも。フリーWi-Fi利用可。
「THE CAMPUS SHOP」の販売商品は、通常のコクヨ製品のほか同店オリジナルの「キャンパスノート」(550円)、「測量野帳」(715円)、「ポーチS」(2,860円)、「ハンカチ」(2,420円)、「タンブラー」(5,280円)なども。「生活スタイルの多様化に合わせ、コクヨの2つの軸である文具と家具の領域にとらわれず、どんな価値を届けるかという視点で商品を選んでいる」と片桐さん。
「COFFEE STAND .OTTEN」は、カフェ「.OTTEN」(世田谷区)が委託運営する。メニューは「.ottenブレンド」(324円)、「チャイ」(540円)、「キッズメニュー」(270円)、「オリジナルドリンク パークサイダー」(518円)、「カヌレ」(410円)など。5月30日までは試験的にさまざまなクラフトビールを提供する。支払い方法はキャッシュレス決済のみ。
南館2階の「OPEN LAB」は、新規事業開発のためのオープンイノベーション拠点と位置付け、他企業との連携によって新しい技術の社会実装を目指す。一般客は見学のみ可。ギャラリースペースやコクヨ社員の配信・収録スペース「WEBCAST STUDIO」を併設する。
北館1階の「COMMONS」は、ワークラウンジやイベントスペースとしての利用を想定。現在はイベント時のみ一般開放する。
片桐さんは「近隣のワーカーや住民には、カフェのドリンクを飲みながら新しい空間を楽しんでもらいたい。敷地内には230種以上の樹木を植えており、四季の変化が見られるはず。PARKの椅子に腰掛けて緑の豊かさを感じてもらえれば」と利用を呼び掛ける。
営業時間は8時30分~19時30分(「THE CAMPUS SHOP」は10時~)。土曜・日曜・祝日休館。新型コロナウイルス感染症対策として、利用者にアルコール消毒や検温を実施。施設内を換気し、密にならない運営を心掛ける。