アール・デコ建築で知られる東京都庭園美術館(港区白金台5)で7月26日より、「舞台芸術の世界―ディアギレフのロシアバレエと舞台デザイン」を開催される。
同展では、ロシアバレエの芸術プロデューサー、セルジュ・ディアギレフの作品と資料約190点を展示。バレエ・リュスをはじめ、20世紀初頭から1945年までのロシアのバレエ、オペラ、演劇など舞台芸術の世界を紹介する。
ディアギレフ 率いるロシアバレエ団(バレエ・リュス)は、革新的な絵画やデザイン、音楽や舞踏などが相互に影響を及ぼす総合芸術として20世紀初頭のヨーロッパを席巻。カリスマ的存在であった彼のもとに、ロシアの新進気鋭の美術家、音楽家、舞踊家が集結したという。1929年の死後も、彼の舞台は同時代の舞台芸術の世界をはじめ各分野に影響を与え、アール・デコ様式の源泉の一つとなった。
展示作品は、ニューヨーク、パリ、ロンドン、サンクトペテルブルク、そして日本国内から収集。舞台や衣装のデザイン画をはじめ、実際に使用された舞台衣装、ポスター、上演プログラム、写真そして再現映像などバリエーションに富んだ構成となっている。今回上映される映像は、バレエ・リュス初期の3作品(「薔薇の精」「牧神の午後」「ペトルーシュカ」)。パリのオペラ座が「パリがディアギレフを踊る(Paris Dances Diaghilev)」というプログラムを上演した際のもの。
期間中、新館大ホールで講演も予定。8月11日14時からは、舞踊研究家で薄井憲二バレエコレクションキュレーターの芳賀直子氏による「生きながら伝説となったバレエ・ダンサー~ニジンスキー~」が、8月25日18時からは、ピアニストの島田瑠里さんと作曲家の山口博史さんによるレクチャーコンサート「バレエ・リュスの音楽」がそれぞれ行われる。いずれも定員250人。
8月25日~9月1日には夜間開館と茶室「光華」の公開も予定。期間中に限り、開館時間が20時まで(入館は19時30分まで)となり、夜間の旧朝香邸も見学できる。16時~18時には、1938年に建設された木造瓦葺き平屋建ての茶室「光華」にも入場可能。
開館時間は10時~18時(入館は17時30分まで)。休館日は第2・第4水曜。9月17日まで。