会員制の卸売店「C'z PRO(シーズプロ)品川シーサイド店」(品川区東品川3、TEL 03-6260-1888)が、品川シーサイド駅そばにオープンして2カ月がたった。経営はカインズ(埼玉県)。
寺岡製作所(品川区広町1)の物流倉庫を全面改装して利用する。敷地面積は約730坪。
ホームセンターチェーン「カインズ」系列の新業態で、昨年8月にオープンした東名横浜店(神奈川県)に続く2号店。利用には会員登録が必要で、事前にウェブサイトで仮登録し、初回来店時に本登録を行って会員カードを発行する。対象者は、建築業や内装業、電気工事業、設備業、土木業、水道、リフォームなど建築関連の法人と個人事業主で、一般の個人利用は不可。
開店経緯について、同社プロSBU新規開発事業部部長の赤堀洋さんは「既存のカインズや競合店との差別化を図るため、特にマンションや戸建てのリフォーム業者をメイン客層に想定した。新型コロナウイルス感染症の影響で都内では自宅で過ごす時間が増え、リフォーム需要が高まっている。しかし、資材の仕入れ先は減少傾向で、都内近郊には中小業者向けの店舗が少ない。資材が足りないとき、都内の現場から往復1時間かけて郊外のホームセンターまで出向く職人もいる。必要な時にすぐ向かえる場所として品川区を選んだ」と話す。
同店はA棟とB棟に分かれ、約2万5000点の住関連資材と道具などをそろえる。資材は業種別に、道具はカテゴリー別にレイアウトする。A棟は電設資材や住設用品、床・壁紙・フロア材などの内装材、断熱材、足場用品、配管設備、給湯器など。B棟は作業着や安全靴、手袋、塗料、建築金物、電動工具、土木工具、セメント・コンクリート、合板、屋根材などを用意する。合板や断熱材、安全靴、作業用の手袋、マスク、カイロなどの売れ行きが好調だという。
商品の在庫は会員専用アプリで確認可能で、「アプリ注文&取り置きサービス」に対応。商品を注文すると、24時間受け取り可能な店外のピックアップロッカーに取り置きする。現在は試験的に、店舗から半径5キロ以内の現場への有料配送も受け付ける。
そのほか、建機のレンタル・リースを行う。リース業者と提携し、小型のパワーショベル、ユンボ、足場の部材一式などをスポットで貸し出す。
敷地内に併設する「クリエイティブ・スペース」には、Wi-Fiやドリンクの無料自販機を備える。休憩や商談ができるほか、カタログの閲覧・注文サービスや、職人向けの事務サポートとして同店が提携する事業者のあっせんも行う。新規の仕事や、領収書管理、確定申告、短期資金調達などの相談に対応する。
「現場の近くに休憩場所がなく、車内で過ごす職人は多い。クリエイティブスペースを設けたことで、休憩ついでに仕入れもできる場所として認知されつつある」と赤堀さん。「店づくりには、会員からのリクエストを受けて商品を充実させる1号店のノウハウを生かしている。仕事の前後で購入できるプロ向けの店ができ、ありがたいといった反響が多数寄せられている。ニーズに応え続け、会員との信頼関係をつくっていきたい」と意気込む。
営業時間は平日=6時30分~21時、土曜・祝日=6時30分~18時、日曜=9時~18時。新型コロナウイルス感染症の対策として、来店時にアルコール消毒をお願いし、店員はマスクを着用する。