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南品川の障害児者支援施設でアール・ブリュット展 テーマは「街」

展示作家「なりきり!撮影クラブ」の活動風景(写真提供=社会福祉法人愛成会)

展示作家「なりきり!撮影クラブ」の活動風景(写真提供=社会福祉法人愛成会)

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 アール・ブリュット展「この街で待つ」が2月24日、品川区立障害児者総合支援施設「ぐるっぽ」(品川区南品川3)で始まる。主催は社会福祉法人愛成会(中野区)。

「なりきり!撮影クラブ」の活動風景、勝島運河の周辺(写真提供=社会福祉法人愛成会)

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 アール・ブリュットは、専門的な美術教育を受けていない人たちが、独自の発想と方法によって作り出したアート作品。本展では「街」をテーマに、都市や景観にまつわる全国の作家作品と、旧東海道沿いのエリアを舞台にした同施設利用者による写真作品を展示する。

 展示作家の「なりきり!撮影クラブ」は、同施設を利用する熊谷敏江さん、堀あおいさん、元吉淳さんのグループ。近隣の商店街や北品川橋周辺で撮影した写真を中心に、同エリアの昭和30~40年代の写真パネルと並べて展示する。昭和の写真パネルは、旧東海道品川宿周辺まちづくり協議会(北品川2)が提供する。

 同施設は2020年夏ごろ、地域での撮影ワークショップを開始。写真家の加藤甫さんとの共同プロジェクト「まちなか・なってみたシリーズ」では、商店街の店などを舞台にシチュエーションを設定し、利用者がモデルとして「なりきり撮影」をした。同展キュレーターの和田真文さんは「2019年に愛成会が指定管理者として事業に携わるようになり、まちづくり協議会を紹介してもらった。当初は施設内で撮影していたが、外に活動を広げるにあたり、撮影に協力してくれる店や人と知り合い、街とのつながりが生まれた。メンバーも安心してそのままの自分で外に出ていけたと思う」と話す。

 そのほか、油粘土で名古屋駅周辺の街並みを再現する上村空さんの作品、駅や看板を色鉛筆で写実する筒井貴希さんの作品、街のコンビニと施設のコピー機を使って自分の顔や気に入ったものを15年ほど印刷している井口直人さんの作品など、全国の作家の作品を展示する。

 2月26日にはギャラリートークを開催する。定員は15人で事前予約が必要。

 関連プログラムとして、3月5日に2部制の公開ワークショップを行う。午前の部では、紙芝居師の林加奈さんと施設利用者が共同制作した紙芝居「品川さんぽ物語」を披露する。午後の部では、体奏家・新井英夫さんとダンサーの板坂記代子さんを迎えて体を動かす。各回定員5人で、事前予約制。

 展示会場外の同施設1階では、2019年から始めた利用者の様子を撮影した写真を展示する。

 愛成会は今年9月、指定管理者としての活動を終了する。和田さんは「品川は都会のイメージがあったが、施設周辺は地域の人との距離が近く、散歩するとトラックが運んできた果物を下ろしていたり、軒先でいろいろな植物が植えられていたりと、生活感のあるなじみやすい場所だった。今回の展示も、街をとらえた作家の視点や作品から受ける印象を楽しんでほしい」と話す。

 開館時間は11時~19時。2月28日は休館する。3月6日まで。新型コロナウイルス感染症の対策として、検温や消毒を行う。来場者には原則マスク着用をお願いする。

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