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西大井~大森で「しなバス」試行運行始まる 品川区初のコミュニティーバス

「しなバス」

「しなバス」

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 品川区内初となるコミュニティーバス「しなバス」が3月28日、西大井~大森を走る「大井ルート」の試行運行を始めた。運行は東急バス(目黒区)。

テープカットの様子

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 同バスは、西大井駅から滝王子通り、池上通り、大井水神公園などを経由して大森駅まで8つの停留所を結ぶ。運行時間は片道20分間。

 車種は日野自動車の「ポンチョショート」で、降車口は1つ。座席10席、立席18人、乗務員1人の定員29人。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、運転席との境目にはアクリル板を設置し、換気のための設備を増設した。バス停の標識は、地面に埋め込む交建製「しらゆり型ST」を使う。

 試行運行の経緯について、品川区都市計画課長の鈴木和彦さんは「区内には、鉄道や既存のバス路線から離れた地域がある。利便性を高めるため、3年前からコミュニティーバス導入の検討を進めていた」と話す。「管内13カ所の地域センターでワークショップを行い、区民の意見を聞きながら運行ルートをブラッシュアップした。バス経路が決まった際には、説明の機会を設けて理解を図った」とも。

 バスが走行する地域は、区内の13地域にそれぞれ「鉄道駅やバス停からの距離」「路線バスの運行本数」「高齢者の居住状況」など11の指標で点数を付け、必要性の高い3地域を選定。最も数値が高い大井ルートから試行運行に着手した。具体的な走行路は、既存バス路線や主要施設との接続性、区民のニーズを考慮したという。

 今年1月には、コミュニティーバスの愛称を区民から公募した。応募総数267件の中から、各地域の町会長と区職員による選定委員が検討。覚えやすく、年配者も言いやすいなどの観点から「しなバス」が選ばれた。

 バスの試行運行期間は4年間。3年目となる2024年度の運行実績により、本格導入を検討する。

 運賃は220円で、子どもは半額。シルバーパスや障がい者割引、東急バス一日乗車券が利用できる。

 「当初のルート案では、山王ロマンチック通りや西大井本通りを通行する西大井地区の循環ルートも挙がったが、今回までに調わなかった。今後は関係機関と協議しながら同地区の試行運行を目指したい」と鈴木課長。「大井ルートのほか、大井町駅~大崎広小路駅の大崎ルート、武蔵小山駅~八幡通りの荏原ルートも、2024年度の実績次第で検討する予定。改善を図りながら長く愛されるバスにしたい」とほほ笑む。

 28日にはJタワー西大井イースト(西大井1)で開通記念式典が開催された。濱野健区長は「交通は都市の利便性向上のために欠かせない。区民の幸せや品川区の発展に大いに貢献してくださるものとして開通をうれしく思っている」とあいさつ。テープカット後は、運転手に花束が渡された。

 運行時間は7時~20時30分。30分間隔で1日28便が走る。

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