京浜急行電鉄(横浜市)が11月26日、23年ぶりに大幅なダイヤ改正を行い、青物横丁駅(南品川3)での乗車機会が倍増した。
待ち合わせ駅での接続が改善されるイメージ図(画像提供=京浜急行電鉄)
青物横丁駅は1904(明治37)年、京浜急行電鉄本線の駅として開業。当時の品川~横浜間の運転所要時間は急行電車=36分、普通電車=43分で、現在の約2倍を要していた。1978(昭和53)年からの高架化工事によって、上りホームは1989(平成元)年に、下りホームは翌年にそれぞれ高架化された。
2020年の同駅平均乗降客数は1日2万9212人で、京急線72駅(泉岳寺駅を除く)の中で13番目に乗降客数が多い。ホームは相対式で、通列車、特急、エアポート急行が停車する。
今回のダイヤ改正では、「アフターコロナの沿線を、より便利に、より快適に」を目標に掲げ、需要に合わせて運行本数や停車駅の適正化を図った。今回のダイヤ改正をきっかけに、京急沿線エリアについて都心一極集中型のまちづくりではなく、中核拠点を中心とした「多極型まちづくり」を目指すとしている。
新ダイヤでは、都内区間での乗車機会を増やすため、三崎口駅から都営浅草線直通で青物横丁駅や平和島駅通過する快特を停車する特急に変更し、快特と特急を10分間隔で交互に運行する。さらに、空港線から品川・都営浅草線直通の快特の一部を特急に変更。平日ダイヤでは朝の通勤時間帯の列車5本を快特から特急に、21時以降の品川駅始発列車の一部特急を三崎口行きから浦賀行きにし、土曜と休日ダイヤでは、泉岳寺駅から三崎口駅を運転する快特列車を特急にした。平日の朝に運行する座席指定列車のモーニング・ウィング5号のダイヤは、オフィス通勤時の利便性をさらに高めるため、運行時間を約30分繰り上げる。
快特を特急に変更したことで、特急停車駅である青物横丁駅と平和島駅の停車数が倍増する。これにより、平和島駅での普通列車と快特・特急列車が接続しやすくなり、品川方面へ出る際の到達時間の短縮や、途中駅へのアクセス向上につながる見込み。
京浜急行電鉄広報の土田逸朗さんは「以前のダイヤは都心から郊外の遠距離の速達性を重視していたが、今回のダイヤ改正では青物横丁駅を含む京急沿線駅から都心へのアクセスが強化された。また、下り方面の列車も特急が増え、羽田空港・横浜・三浦半島方面へのアクセスも利便性が高まった。青物横丁駅を始め、都内近郊の駅を利用する人を増やせれば」と話す。