ローソンゲートシティ大崎アトリウム店(品川区大崎1)は、「からあげクン」などのフライドフーズ商品を急速冷凍し、「子どもゆめ食堂だんらん」(西大井2)へ寄贈する実証実験について、終了予定日だった2月28日以降の継続を決めた。
1月17日から始まった同実験。フライドフーズと呼ばれる店内調理品のうち、「販売期限切れ」を迎えた商品を液体急速冷凍機で冷凍し、鮮度を保った状態で寄贈する。販売期限とは、購入後すぐに商品の賞味期限が切れてしまわないよう、賞味期限よりも早い時点で同社が設けている独自の期限を指す。フライドフーズは売れ行きを見込んで店内で事前に調理するが、一定時間ショーケースで陳列した後は食品ロスとなってしまう課題を抱えている。
ローソンSDGs推進室アシスタントマネジャーの山口友紀恵さんは、「食品ロス自体を減らす方法を模索していくが、現状発生しているロスへの対策も必要だと考えた。そこで、販売できないがまだ食べられる食品を活用する方向で検討した」と話す。寄贈先は、ローソンが品川区や品川区社会福祉協議会に相談し、しながわ子ども食堂ネットワーク事務局を通じて決まった。
寄贈品は、「からあげクン」「Lチキ」「鶏から」「北海道産きたあたりの牛肉コロッケ」「旨(うま)みあふれる牛肉メンチ」。実験期間中の寄贈品の一部として、「からあげクン」は約2週間かけてストックしたものを1月17日に90個、30日に160個を寄贈したという(2月16日時点)。
「子どもゆめ食堂だんらん」では、寄贈品をオーブントースターなどで再調理し、夕食メニューの一部として提供する。同代表の宮木丸美さんは「利用者やスタッフ一同、大喜びでうれしい限り。食品ロスは、自身にとっても長年の関心事。食事の際には『これが捨てられるはずだったの、どう思う?』『もったいないよね』という会話が生まれ、食育にもつながっている。利用者から『家庭内で食品ロスが出なくなった』という声も聞いた」と話す。
子ども食堂の運営面については、「2020年以降、コロナ禍で食品を配布する形に移行せざるを得なかった。利用者は食品を受け取り家で自由に食べるスタイルが定着してしまったが、子ども食堂はただ食の支援をしているわけではない。地域全体を見守り、人と人との交流が生まれる場となる目的がある。寄贈いただいた『からあげクン』は、私たちの食堂がさまざまな方の居場所として機能し、利用者を引き戻すきっかけになるかもしれない」と宮木さん。
今後について、山口さんは「急速冷凍機の設置を他店展開できるか、他の地域でも今回のようなニーズがあるのかなど、多くの観点でこれから検証していく」と話す。
実証実験は3月以降も継続する。終了日は未定。