品川区立品川歴史館(品川区大井6、TEL 03-3777-4060)が4月21日、リニューアルオープンした。
歴史資料を解説する壁沿いの展示「ライブウォール」(写真左)と、大型模型などで構成する「ライブステージ」(写真右)
同館は郷土資料の保存と活用、区民文化の向上を目的として1985(昭和60)年に開館。施設全体のリニューアルは今回が初めてで、改修工事のため2022年7月から休館していた。来年には開館40周年を迎える。
リニューアル後のコンセプトとして、品川の歴史を身近に感じられる「品川ライブミュージアム化」を掲げる。展示物の大部分を入れ替え、常設展の大型模型や映像はすべて新作を用意。子どもや障害のある人の観覧を想定し、展示方法を検討したという。目標来場者数は年間2万人。
1階には、常設展示室や特別展示室を設け、作業スペースや机を備えて休憩スペースとしても使える「ライブラボ」では明治~昭和の生活の道具を展示する。常設展示室前には、4面のモニターによるタッチパネル式の「しながわ歴史年表」を用意する。
常設展示は、原始古代、中世、近世、近現代の4区分で品川の歴史を紹介する。展示物は子どもの目線に合わせて高さを抑え、解説文はなるべく平易に短くまとめたという。資料数は約120点。壁沿いの展示「ライブウォール」では時系列で歴史資料を紹介し、室内中央の「ライブステージ」では各時代の象徴的な風景をタッチパネルやセンサーを用いて解説する。
リニューアルの目玉として、常設展示室の上部に縦2.9メートル、横11.6メートルの大型スクリーンを設置した。約20分に1回、品川エリアの変化を表現した映像「品川歴史絵巻」を上映する。2階の展望デッキからも観覧できる。
2階には、区内5地区を解説する「しながわ歴史ナビ」コーナーを作り、モニターで各地区の昔の地図を表示する。床面の航空写真は2022年に撮影されたもの。区内全域が高精細で写っているため、内覧会では自分の家を探す人の姿も見られたという。このほか、大森貝塚を発掘したモース博士の紹介コーナーを併設したライブラリーや講堂を設ける。
リニューアル記念企画展として、4月21日から特別展示室で「品川を彩る名品たち -品川歴史館浮世絵コレクション-」を開催し、同館所蔵の浮世絵を3期に分けて展示する。6月30日まで。
同館学芸員の冨川武史さんは「来館したら、まずは2階の展望デッキで『品川歴史絵巻』の映像を見て、品川の歴史を感じてもらえたら。その後に常設展示室に進むと理解が深まるはず」と話す。
開館時間は9時~17時。月曜定休(祝日の場合は翌日)。観覧料は一般=100円、小・中学生=50円。