全国のものづくりブランドを集めた見本市「ててて商談会・ててて直売会2024.秋」が10月24日~27日、品川駅近くの多目的施設「THE CAMPUS(ザ・キャンパス)」(港区港南1)で開催される。主催は合同会社ててて協働組合。
出展者と交流する来場者、2022年10月に開催した商談会の様子(写真提供=ててて協働組合)
衣料や食品、インテリア、生活雑貨など、90ブランドが出展する。全国各地のものづくりに携わる関係者が、分野や職種の越えて他の出展者と交流しながら、小売業者や報道陣へ技術力をアピールしたり、一般来場者に向けて商品を販売したりする。
ててて協働組合は2012(平成24)年の発足以降、東京都内で同様のイベントを展開している。「ててて」の名称について、同組合共同代表の吉川友紀子さんは「ものづくりの『作り手』、『伝え手』、『使い手』という3つの手をつなぐという意味がある。」と話す。「ものづくりは今、材料の入手が難しくなったり、人手不足になってしまったり、ただ作るだけでは続けられない時代の岐路に立っている。売り出し方や伝え方など、それぞれ模索しながら悩んでいる作り手が、仲間と出会えるようなイベントを目指している」とも。
10月24日・25日の商談会(招待状必須)は、出展者同士や百貨店、セレクトショップのバイヤー、報道関係者など向けに交流の場を開く。同組合広報担当者の石原藍さんは「既製品を売買するだけでなく、ブランドの技術力や思いを直接伝えることで、新事業が生まれることもある」と話す。これまでにも、木製の器を作るブランドが木工技術を評価されたことで新たに建築分野に携わったり、アパレルブランドが他の事業者との交流によって廃材を活用した新商品が生まれたりしたという。
26日と27日の直売会は、一般の来場者が商品を購入したり、出展者と交流したりするイベント。入場料は500円で、500円分の「お買い物チケット」が付く。吉川さんは「来場者の多くは、暮らしやものづくりへの関心が高い。過去には、日本のものづくりに興味があって話を聞いてみたいという高校生が来てくれたこともある」とほほ笑む。
今年1月の能登半島地震で被害に遭ったブランドも出展を予定する。吉川さんは「石川県輪島市の『四十沢(あいざわ)木材工芸』は、工房で材料が倒れ、機械が動かせない状況になったが、今年6月に青山で開催した商談会に参加してくれた。交流を通じてとても前向きな気持ちになれたと聞いて、現状を乗り越えて頑張っていこうとする姿勢に心打たれた。今回も、そういった作り手から話を聞けるのは貴重な機会になるはず。さまざまな背景を持った作り手たちの挑戦が見られる場。作り手の心意気を感じてほしい」と来場を呼びかける。
開催時間は10時~17時。24日・25日は一般入場不可。